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小野田に自動車再生処理工場
2002/12/25
共英製鋼(高島秀一社長、本社・大阪市)は、小野田市の東沖ファクトリーパークに自動車リサイクル一貫処理工場を建設する。廃棄物の完全なリサイクルを目指す「ゼロエミッション工場」を目指し、来年11月に稼働の予定。
使用済み自動車のリサイクル工場は、東沖工業団地の北側2万平方メートルに破砕・選別施設を建設する。あわせて同社山口事業所(小野田市港町)敷地内にガス製造施設、破砕・選別施設に隣接する東沖に管理型最終処分場9万平方メートルも設置する。
破砕・選別装置は、使用済み自動車をシュレッダーで分解。鉄くずとガラス・有用金属、プラスチックなどが交ざったシュレッダーダストに仕分ける。鉄くずは山口事業所で建設用棒鋼など鉄鋼製品の原料に、有用金属類などはリサイクル業者に売却する。
ガス製造装置は、シュレッダーダストを原料に燃料用ガスを製造、山口事業所の金属加熱炉の補助燃料として消費される。また、ガス製造後に残る溶融スラグも路盤改良剤として利用される。
破砕・選別施設は2基で1日180トンを処理する能力があり、月に1万3000台の自動車を処理できる。
04年から使用済み自動車の再資源化に関する法律(自動車リサイクル法)が完全施行されるのを前に、鋼材メーカーの同社が、これまでに培ったノウハウや技術を生かしたリサイクル部門に進出する。
とくに、これまでは埋め立て処分されていたシュレッダーダストまでリサイクルすることにより、工場の操業で排出される廃棄物がほとんどないゼロエミッションを目指しているのが特徴。
シュレッダーダストはプラスチックをはじめ、さまざまなものが交ざり、これを仕分けして再利用するのは不可能だった。同社はガス製造装置で加熱、分解して金属加工用の補助エネルギーに使用することで、一貫リサイクル態勢を整備する。加熱用の燃料にも、コストは高いものの環境負荷の少ないLPGや灯油を使うなど、ダイオキシンを含む排ガス対策にも配慮している。
ガス化後に残るスラグ(滓=かす)も路盤を強化するための改良剤として利用される。当面は東沖の最終処分場に使われ、処分場は将来、工場用地として利用する。
破砕・選別施設、ガス製造装置、処分場の3つの施設に対する投資額は95億円。関連を含めた新規雇用は60人を見込んでいる。
リサイクル一貫処理工場は、24日に開かれた小野田市環境審議会で公害防止対策が承認されたことから近く着工する。破砕・選別装置は1基目が来年11月稼働、2基目は再来年の稼働を予定している。
共英製鋼は鉄筋コンクリート用棒鋼、加工用棒鋼などの生産、医療廃棄物処理などを手がける。山口、大阪など4工場をもち、粗鋼生産能力は年間240万トン、売上高は611億円。資本金102億700万円、従業員830人。