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http://www.kahoku.co.jp/spe/spe058/19990623spe_01.htm
激戦 仙台ホテル事情
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(1)林立/パイの争奪で危機感
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仙台のホテルが、生き残りをかけて、激しい戦いを展開している。新しいホテルの進出が相次ぐ中で、不況による企業の出張費や接待費の削減が宿泊、宴会部門を直撃、経営の厳しさは増すばかり。一方で、各ホテルは活路を求めて独自性を打ち出したり、連携を深めたりと、新たな戦略を打ち出し始めている。人口100万人を突破したばかりの仙台で、ホテルの最新事情を追った。(報道部・今野忠憲)=5回続き
<7軒ひしめき合う>
JR仙台駅から徒歩約5分の距離にある仙台市青葉区中央4丁目に今春、新しいビジネスホテルが2軒誕生した。このかいわいは七軒のホテルがひしめき合う仙台随一の「激戦地帯」となった。
大正元年に創業した老舗(しにせ)の「中村旅館」が3月、ビジネスホテルに転換した「ホテルセントラル仙台」がその一つ。中村兼久社長は「3代目として旅館存続へのこだわりは強かったが、仙台の都市化とともにビジネス客が増え、畳の部屋でのんびりするという旅館のニーズが減ってきた以上、仕方のない判断だった」と語る。
コンセプトは「ハイグレード&エコノミー」。主力のシングルルームは13−16平方メートルと旧来のビジネスホテルに比べて広い。間取りを大きめにしているのが、新しいビジネスホテルに共通する特徴でもある。
<集客へノルマ課す>
一方、ホテルセントラル仙台の斜め向かいで4月にオープンした「ホテルフォーリッジ仙台」。グリーンホテル(本社水沢市)の経営で、仙台市内では2軒目のホテル開業になる。
斉藤隆一専務は進出理由として、「立地条件の良さ」を挙げる。「ホテル業界を取り巻く環境は厳しいが、客へのホスピタリティー(もてなし)をきちんとすれば、顧客は増えてくる」と自信をのぞかせる。
仙台駅を挟んでの集客合戦も激しい。目新しいオフィスビルが立ち並ぶ駅東口の仙台市宮城野区榴岡。全国チェーン「東横イン」が仙台東口T号館、U号館の2店を構える。ともに毎月約90%の客室稼働率を維持している。ビジネスホテルの採算ベースは65−70%と言われており、これは驚異的な数字。さらに平成13年にも駅西口の青葉区本町に3店目を開業させる予定だ。
強さの秘密は徹底したノルマ主義。T号館では、集客力を上げるため従業員に対し、1カ月当たり5人の会員確保を義務付けているという。T号館の小野博子支配人は「リピーターの数を増やすことが最大の狙い。ノルマを達成できないときは、周辺公園の清掃奉仕など“罰”が課せられるので従業員は必死です」と笑う。
<「業界の団結大事」>
100万都市仙台の大きな市場を狙って、次々にホテルが進出している。仙台市内のホテル数は平成5年に65軒(定員9925人)だったのが、10年には84軒(1万2885人)と19軒も増えた。
既存のホテル幹部は「パイの奪い合いになるのが一番怖い」と危機感を募らす。日本観光旅館連盟仙台連絡会の理事長でもあるホテルセントラル仙台の中村社長は「仙台市全体の宿泊者数が減っている。まずは業界全体が一致団結して、仙台への誘客を図っていくことが大事だ」と強調しているのだが…。
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