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建設の現場は東に西に、はるかな一本道となって続いていた―。ヘリコプターで静岡市上空から第二東名の建設現場を眺めた。すぐ下には真っ白な四角い橋脚が数十本、二列均等に並んでいる。西側の山すそには、二つのトンネルが黒い口を開けている。内牧高架橋と静岡第二トンネルだ。東側を振り返れば「口」の字の形をした橋脚が安倍川を横断し、上部にコンクリートの橋が架かっていた。
実際に目にすると、あらためて工事が大きく進展していることに驚く。国の施行命令が出ている御殿場と引佐間の本線延長は百四十七キロ。これに調査中区間の小山―御殿場間十八キロ、現東名との二本の連絡道十七キロ区間を加えた計百八十二キロが、県内の第二東名の全体延長だ。海老名(神奈川県)から東海(愛知県)までの第二東名の全体事業費は約六・六兆円。県内分はこのうち約二兆九千億円を占め、平成十三年度末までに約半額の一兆三千九百七十億円が投じられた。
日本道路公団静岡建設局は県内ルートの発注済み本体工事の割合を示す着手率を78%と算出している。三十六トンネルのうち二十八、百三十二橋梁(りょう)のうち百十が既に着手済み。用地買収対象面積千六百四十万平方メートルのうち、買収率は98%に達し、「いまさら後戻りは考えられない」と静岡建設局幹部。
一方、道路関係四公団民営化推進委員会が、民営化後の新会社が高速道路の建設を続けるかどうかの判断基準として工事の「進ちょく率」を挙げたことで、波紋が広がっている。「進ちょく率」は着手率とは異なり、契約済み額の割合で算出している。道路公団が民営化推進委に提出した資料によると、県内では長泉―引佐(百三十三キロ)間が50%、御殿場―長泉(十四キロ)間が27%。
これに対し、県土木部の幹部は「進ちょく率では、半分しか進んでいないという印象を与えかねない。より現実的には、発注済みの割合で判断すべきだ」と批判する。
ヘリは東部へ向かい富士市上空へ。第二東名はここで現東名と急接近する。スムーズに車が流れる現東名と、断続的に工事現場を連ねている未完成路線。二本の高速道路が、寄り添うように愛鷹山の南ろくを這(は)う。平行してきた二本の高速道路は、御殿場市の大野原高架橋で重なり合う計画。現東名をまたぐ橋脚が規律正しく打ち込まれているのが目を引いた。
昨年十一月の参議院国土交通委員会で、国土交通省の大石久和道路局長は、現東名と第二東名を一体視すべきとの見解を示した。第二東名単独では採算をとるのが困難だが、収益率で全国トップを誇る現東名と一体で見れば、総収入が総支出を上回るという見方。現東名の年間収益は約二千三百億円(十二年度)。石川嘉延知事は「現東名は超優良道路。この収益は最寄りの第二東名にまず還元すべきだ」と訴える。
(第二東名問題取材班)
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http://www.sbs-np.co.jp/shimbun/kikaku/200208toumei/dainitoumei.html