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WTI原油価格(2月限)はさらに1ドル上昇し、33ドルに接近してきた。米国エネルギー省が原油の国家備蓄放出に関し、「現状ではその必要性なし」とコメントしたことから、続騰となったもの。 日本ユニコム・調査部長の渡辺勝方(かつのり)さんは、こうした情勢を踏まえて、次のような見通し(ほぼ原文通り)を示しているーー。
<ベネズエラのストは一向に収まる気配見せず、越年へ> 筆者NY情報筋によれば、ベネズエラのストは一向に収まる気配を見せず、越年することになりそうだ。ロドリゲス氏(同国国営石油会社総裁)の「1月半ばまでには労働者の大半は復帰する」との見通しには確たる根拠はなく、希望的観測に過ぎない。 米国の石油会社CITGOなど数社はすでに原油在庫切れを理由に年明けから操業度を落とさざるを得ない旨を発表し、国家備蓄の放出を要請している。しかし、米国の国家備蓄放出についてはWTI原油ベースで35ドルを目安としている模様で、市場の期待感の高まりにも拘わらず、すぐには放出されそうにない。
<35ドル到達する可能性を30%から55%に引き上げ> 一方、中東OPEC諸国の一部(UAEおよびイラン)は、日本向けの2月積み原油供給を拡大するとの通告を行ってきた。バスケット価格が本日でほぼ10日28ドルを大幅に越える状態となり、OPECは徐々に増産体勢を取り始めたようだ。同様の話がサウジと米国石油会社の間でも進行していると見るべきだろう。しかし、中東から米国までの原油搬送期間は1.5ヶ月であり、足元の米国の原油在庫不足を解消することは困難だ。 期近の原油価格の急騰にブレーキをかけるにはすぐにストを中止するか、米国の国家備蓄が放出されるかの2策しかない。
先日拙稿でWTI原油が35ドルに到達する可能性は30%としたが、55%と改めたい。 しかし、サブシナリオもある。確率は20%未満だろうが、チャベス大統領がクーデターの勃発により追放されたら、一転ベネズエラのOPEC脱退というシナリオにも発展しかねない最大の弱気シナリオとなる。
<この異常事態は長く続かない> いずれにせよ、この異常事態は長く続かない。事態の急旋回ありうべしである。 東京の石油先物に関しても、この上への勢いの影響を受けざるをえないだろうが、買うなら手前(期近)に近いところ、売るなら期先ということになろう。