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東京 12月27日(ブルームバーグ):生命保険各社は27日午前、生命保険契約者保護機構の臨時総会を開き、生保が破たんした際、契約者の保険金を保護する枠組みの財源問題について、業界側が1000億円の負担枠を新たに設定することを賛成多数で可決、正式決定した。同機構の財源は政府による公的資金枠を含め計5000億円となる。
しかし、同機構は総会で、1)業界負担が1000億円を越えないことを確認、2)破たん生保に対する年間負担460億円の減額を検討、3)事前に積み立てる方法から事後拠出制への移行や安全網の見直しについて金融審議会などで検討――を付帯事項として加えた。
政府は既に公的資金枠4000億円を今後3年間、延長することを決めている。その見返りとして政府は、生保業界にも追加負担に応じるよう要請していた。契約者保護機構と金融庁は19日、この財源問題について、基本合意に達していた。
「これ以上の負担しいるべきでない」
しかし、がん保険など第3分野保険で最大手のアメリカンファミリー生命保険(AFLAC)は23日、「業界に追加負担を求めるという決定は遺憾だ。これまでにも十分以上の負担をしてきており、他社の経営破たんにこれ以上負担をしいられるべきではない」との意見を書面で表明していた。
生命保険協会の横山進一会長(住友生命保険社長)によると、実質的な生保の追加負担は、負担枠1000億円のうち、これまでの業界負担分の残り220億円と、破たん生保の清算法人の残余財産を除いた額で、300億−400億円を見込んでいる。
生命保険契約者保護機構は、破たん生保の契約者が将来受け取る保険金の 90%を上限に保護している。この財源として、1998年12月に同機構が設立されてから、これまでに5600億円の業界負担枠が設定された。
安全ネットの見直しを検討
政府は2000年6月に4000億円を上限に公的資金枠を設定。東邦生命、第百生命、大正生命の破たんで、生保各社は会社の規模に応じ、合計で5380億円を資金援助している。業界負担枠の残りはわずか220億円となっていた。
横山会長は20日の定例記者会見で、公的資金枠が3年後に再度、期限切れとなることについて、「追加負担という形は避けたい」としており、今後は「具体的な案はまだないが、金融庁とは安全ネットの枠組みの見直しを検討する」方針を示している。
東京 伊藤 小巻 Komaki Ito
野々宮 莉莉 Lily Nonomiya