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サムスン経済研究所は25日「2002年が残した韓国経済の10大宿題」と題した報告書で、韓国経済は今年、6%台の成長率回復、ワールドカップ(W杯)開催、格付けの上昇などで、表面的には好転したが、これに見合った実質的成長には至らなかったと評価した。
◇不良債権処理の遅れ=ハイニックスや現代(ヒョンデ)投信など、破たん企業の処理の遅れに伴い、金融機関の構造調整も遅々として進んでいない。
◇家計のバブル形成=第3四半期までの家計負債額は424兆ウォン(約24兆円)と国民総生産(GDP)の75%に達し、信用不良者(金融機関のブラックリスト登録者)の増加により、来年の消費が冷え込む可能性は高くなる一方だ。
◇「外華内貧」の企業経営=企業の過去最大実績は、競争力よりは、低金利やウォン高によるものだ。一部大企業の業績向上による、錯視現象もみられた。
◇海外市場での競争力弱体化=今年の輸出額1630億ドル(推定値)は前年比8%増だが、2000年の業績(1720億ドル)には大きく及ばない。
◇新たな成長原動力の不在=IT(情報技術)産業の依存度は次第に高まっているが、投資の減少や市場の飽和状態などで、成長速度にも遅れが出そうだ。そんななか、IT産業の後継者となる新産業の登場が、いまだみえてこない。
◇長引くベンチャー企業の低迷=破たんしたベンチャー企業の増加で資金市場が急激に冷え込み、ベンチャー企業は二重苦にあえいでいる。
◇W杯効果大きく活かせず=W杯によって国と企業のイメージは向上したが、この相乗効果で輸出や投資を増大させるとした官民の対策が、掛け声に終わる可能性が高まっている。競技場の活用方法さえ整っていないのが現状だ。
◇消極的な通商協力=チリとの自由貿易協定(FTA)締結でも一貫して消極的な姿勢を見せるなど、通商主導権問題が表面化している。国民への広報も不十分だ。
南北経協の停滞=韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の全体貿易は、前年比の56.5%増となったが、民間レベルの経済交流は97年水準を抜け出せずにいる。
◇リーダーシップの弱体化と社会葛藤=週休2日制勤務、太陽(包容)政策、世代間の対立、反米感情などが、政権末期のレイムダックに付け込み、社会不和へとつながっている。