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コメルツ証券会社東京支店・ファンダメンタルリサ−チ部ストラテジストの宮島秀直さんは、「米国株式市場を巡る需給関係にやや安定感が見られ始めた」と語る。そのシグナルは次の3つの点から確認できると言う。すなわち、第1に企業インサイダー投資家(上場企業の社内株主)の買い越しが4週間移動平均で30億ドル前後を維持し、安定しつつあること。第2は、米国個人投資家の株式投信への資金流入が4週間移動平均でほぼネット流入ゼロを維持し始めたこと。第3は、これまで大量の資金流入が続いていた債券投信に流入減少の傾向が見られることである。
<企業インサイダー投資家の買い越しは”良いシグナル”> このうち、企業インサイダーについて、詳しく見ておこう。企業インサイダー投資家は、「通常、自社の株式に割安感や割高感が強まった場合、あるいは決算や経営戦略に好転や悪化の予兆がある場合に、一般投資家よりも一歩先に自社株を売買する傾向がある」。今年7月、10月の米国株の反発局面で彼らがいち早く買越額を膨らませていることからも、その傾向を伺うことができる。4週間移動平均によってトレンドを捉えても、10月以降の企業インサイダー投資家による買越額は6月末から7月のような爆発的な膨張ではないものの、堅調な買い越し基調を維持しており、2002年第1、第2四半期に比べ、彼らが米国株式市場の相場(自社業績)に自信を取り戻しつつある姿が窺われる。そして、次のようにコメントする。「企業が決算発表を控えたこの時期に企業インサイダー投資家が自社株をコンスタントに買い越していることは、1月の決算が大幅にアナリスト予想を上回る内容ではないものの、大きく下回る可能性も低いことを示唆しており、この点からも良いシグナルである」
<テクノロジー以外のセクターは、なだらかな上昇カーブへ> 宮島さんは、こうしたシグナルから判断して、1月の相場は、「テクノロジー株以外のセクターは比較的順調な決算を背景になだらかな上昇カーブを描く可能性がある」と見ている。だが、テクノロジー株については、決算は予想通りであるものの、年初のシスコ・システムズ経営陣による業績見通しのコメント(2003年上半期については受注伸び悩みを予想する公算が強い)なども併せて、個人投資家は依然慎重なスタンスを維持する可能性が強く、株価の相対パフォーマンスは市場平均を下回ることが考えられる、と言う。