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ニューヨーク 12月24日(ブルームバーグ):ことしの米国の年末商戦は、販売成績が過去30年余りで最悪になりそうだ。東京三菱銀行とUBSウォーバーグがまとめた先週(12月15−21日)の米主要小売業の既存店売上高は、前年同期比1.7%増だった。東京三菱のニーミラ・エコノミストによると、11−12 月は同1.5%増と1970年以来の低水準にとどまる見込みだ。
景気の行方や雇用情勢に対する消費者の不安を反映して小売り低迷が続くなか、通常年間で最大となるクリスマス直前の週末の売り上げも、販売回復の原動力にはならなかった。総合小売業のターゲット、家電量販店のベスト・バイ、書籍販売のバーンズ・アンド・ノーブルなど、実績が予想を下回っている小売りチェーンは多い。
アナリストらによると、25日以降も在庫一層のため追加的な値引きが行われる見込みだ。値引きは利益の圧迫要因となる。UBSウォーバーグのクリスチャンセン・アナリストは、百貨店のフェデレーテッド・デパートメント・ストアーズ(FDS)やターゲットの第4四半期(11−1月)利益見通しを下方修正。ゴールドマン・サックスも、ディスカウント小売りのウォルマート、FDS、家電量販店のサーキット・シティ・ストアーズ、同ラジオシャック、がん具小売りのトイザラスの利益見通しを軒並み引き下げた。
ことしはヒット商品が少ないことから、小売りチェーンは値引きや無料ギフト、ゼロ金利ローンなど利ざやを圧迫する販促手段に頼らざるを得ない。コンサルティング会社バーナーズ・リテール・コンサルティング・グループのバーナード社長は「粗利益率の落ち込みを穴埋めするような商品が十分にない」と指摘する。百貨店大手のシアーズ・ローバックやJ.C.ペニー、コールズは、商戦最終日となった24日、衣料品やアクセサリーを50%以上値下げ。ベスト・バイもパソコンを対象に約500ドルの値引きセールを展開した。
一方、インターネット通販は比較的好調だ。業界最大手のアマゾン・ドット・コムやJ.C.ペニーの電子通販子会社は、まだ買い物を済ませていない「駆け込み組」の消費者を対象に電子メールを使って商品券を配布するキャンペーンを実施した。調査会社コムスコア・ネットワークスによると、12月14− 20日のインターネット通販(旅行関連を除く)の販売額は14億ドルと、前年同期に比べ18%増加した。
アナリストの間には、25日以降の売り上げが12月の月間販売額を押し上げるとの見方もある。J.C.ペニーとFDSは昨年、25日以降の販売成績が好調だったのを受け、商戦終了後に12月の業績見通しを上方修正している。
ニューヨーク Shobhana Chandra ほか東京 柴田 広基 Hiroki Shibata