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ニューヨーク 12月24日(ブルームバーグ):2002年の米国債相場は3年連続で米株式相場を上回る投資収益を達成しそうだが、来年も米国債の好調が持続するとみる投資家は少ない。
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントで700億ドルの債券運用に携わるオブライアン氏は「来年の(米国債の)投資収益がマイナスになる可能性があることは明白だ」と指摘する。
投資家の間では、米景気回復と財政赤字拡大が米国債相場を圧迫しかねないと懸念されており、来年は米連邦準備制度が3年ぶりに利上げに踏み切るとの見方も浮上している。世界最大の債券投信パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)などは米国債の保有を減らし、景気回復期に好調な社債や株式など高リスク資産に注目している。
米国債の投資収益が米国株を上回るのは通常、米景気減速や企業収益への信頼低下で投資家の安全志向が強まる時期で、米国債が米国株を3年連続で上回るのは1939−1941年以来のこと。ブルームバーグ・データによると、年限1年以上の米国債のことしの投資収益率(利払い含む)は11%で、2001年の6.7%と2000年の13.4%に続き、3年連続でプラス圏にある。
ただ、10年物の米国債の利回りは現在3.99%と、10月9日に付けた44年ぶりの低水準である3.57%から上昇基調にある。エンロンなどの企業による会計不祥事を嫌気して大幅安を演じていた株式市場でも、利下げによる投資マインド改善を追い風に、S&P500種株価指数が今四半期(10−12月)は10%上昇している。米証券大手メリルリンチによると、投資適格債利回りの米国債に対するリスクプレミアム(上乗せ幅)は1.85ポイントと、10月の2.67ポイントから縮小している。
バンガード・ブループで米国債など350億ドル相当の運用に携わるグロック氏は「2003年末までには、米経済のリセッション(景気後退)からの脱出が鮮明になってくるだろう」と指摘する。米債券市場協会(BMA)がエコノミスト19人を対象に実施した調査によると、プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)を務める金融機関のエコノミストらは、来年の米経済を 2.8%成長と、ことしの2.4%成長から伸びが加速すると予想、個人消費の鈍化を企業の設備投資の回復がカバーするとみている。
金利先物の動きからも、米金融当局が来年第3四半期(7−9月)に利上げするとの観測が示されている。ベアー・スターンズのチーフマーケットエコノミスト、ライディング氏は、早ければ6月にも「米当局は利上げを検討し始める必要が出てくるだろう」と指摘、10年債利回りは来年、5.4%に上昇する可能性があると予測する。
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