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三井住友銀行が狙うあおぞら銀行(旧日債銀)買収に赤信号が点灯した。三井住友銀の連結子会社となった場合、上場益が見込めるうえ、三井住友銀の自己資本比率アップに「利用される」ことに対し、あおぞら銀上層部や大株主の東京海上、オリックスから強い不信感が沸き上がっているのだ。株価が『1強3弱』で推移するなか、『銀行国有化』回避へ向け、「絶妙の妙手」を打ったはずだったが、西川善文頭取はこの大窮地をどう乗り切る?
「(三井住友銀による子会社化は)ナンセンス。相手はうちをグループに取りこみ、自己資本比率を改善したいだけ」
あおぞら銀幹部はズバリ、そう斬り捨てる。
三井住友銀の描くシナリオは、孫正義社長率いるソフトバンク保有の約49%を買収、さらに東京海上とオリックス保有の約15%ずつ、地銀など保有の約10%などを公開買い付け(TOB)で取得する−というものだ。
買収後は90%以上の株式を握ることになり、持ち株会社傘下で非上場の連結子会社とし、完全に経営権を握ることを目論んでいた。
あおぞら銀の自己資本比率は13.6%。傘下に収めると三井住友銀の自己資本比率を0.5%押し上げる。
不良債権処理の加速などに伴い、国際ルールの自己資本比率8%を維持し、『国有化』回避へ向け財務基盤強化が急がれる三井住友銀にとって、「急いで実現したい案件」(同行関係者)だ。
だが、早期売却の意向を示すのは、本業のブロードバンドへの投資資金を得たいソフトバンクのみ。東京海上やオリックス、あおぞら銀自体は、数年後の再上場による上場益を見込んでおり、三井住友銀の動きに不信感すら抱いている。
あおぞら銀は、旧日債銀が一時国有化された後に誕生。2600億円の公的資金が注入されているが、株式公開による上場益で返済する方針を打ち出している。
平成14年3月期の最終利益は187億円と経営は順調。「不良債権処理も進み、数年後の再上場は可能」(同行関係者)と強気の構えだ。
行内には、第4株主で、5年間の長期保有を前提に買収に乗り出すとみられる米投資会社のサーベラスの動きを歓迎する声すら出ている。
東京海上、オリックスも、「株の保有は将来の上場益を視野に入れた投資案件」(関係者)との立場。今のところ、三井住友のTOBに応じる可能性は低い。
三菱東京フィナンシャルグループと関係が深い東京海上には、「(三井住友銀が筆頭株主になれば)三井住友海上火災が業務に乗り出してくるのでは」(東京海上関係者)との警戒感もある。
オリックスも、三井住友銀の買収には「新鮮味がない」(同社幹部)とキッパリ。「この際、海外投資ファンドでも構わない」(オリックス関係者)とみている。
ただ、金融庁は新生銀(旧長銀)に続き、あおぞら銀まで外資系となるのは避けたい意向だ。
不信感が渦巻くなか、三者三様の思惑が絡み合い、事態は先行き不透明な情勢となっている。