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りそなグループの大和銀行とあさひ銀行は、今期中に破綻懸念先以下の不良債権を半減させる方針を固めた。自己資本比率8%割れで“国際戦線”から撤退したりそなだが、国内業務だけを行う基準の4%維持へ攻防が続く。来年3月のグループ正式発足に向けて、正念場を迎える。
大和、あさひ両行の破綻懸念先以下の不良債権残高は、今年3月末時点で1兆8400億円あったが、24日付の朝日新聞によると、これを1年間で8700億円まで減らす計画という。
融資先の経営が悪化したり、年明けの金融庁の特別検査で債務者区分の見直しによる新規発生分もあるため、処理額はトータルで1兆2000億円にのぼる。このうち6000億円は債権放棄など再建型の処理を行うが、残り6000億円については、債権売却、さらに法的処理に踏み切る。大口融資先を含めた倒産ラッシュも予想される。
りそなグループの自己資本比率は9月中間決算の時点で8%割れしているが、不良処理額の増加により、グループの自己資本比率は7.71%にまで下落する見通し。
竹中平蔵金融・経済財政担当相のハードランディング路線のもと、資産査定が厳しくなり、将来の企業収益をもとに貸し倒れ引当金を積むディスカウント・キャッシュ・フロー方式の導入で引き当てが強化されれば、不良債権処理損失はさらに膨らむ。りそなは15%の引き当てを積み増した場合、追加損失は2000億円程度で、国内基準の4%は維持できると見込んでいるという。
メガバンク各行は、処理損失の拡大で自己資本が枯渇し、「公的資金の再注入=実質国有化」の事態に陥ることを回避するため、あの手この手の奇策を打ち出している。国際業務から“イチ抜けた”りそなは、自己資本比率4%を維持すればいい分だけ、大胆な不良債権処理を実行できる余地があるというわけだが、国有化危機が完全に払拭(ふっしょく)されたわけではない。転換期限の来た国が保有する優先株を普通株に転換すると、国の持ち株比率は39%で、筆頭株主となる。
来年3月から、りそな銀行と埼玉りそな銀行に再編されるなど正式始動するりそなだが、りそなホールディングスの株価は60円台で時価総額は約5000億円。お買い得感から外資による買収のウワサも消えない中、剣が峰の攻防は続きそうだ。