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12/23 17:36 経済再建のめど立たず 債務不履行のアルゼンチン 外経21
【リオデジャネイロ23日共同】深刻な財政危機に陥ったアルゼ
ンチン政府が銀行預金を凍結したことで死者二十七人を出す騒乱に
発展、デラルア政権が倒れて同国が公的債務の支払い停止宣言に追
い込まれてから二十五日で一年となる。
預金凍結は今月二日に解除されて大口定期以外は引き出しが自由
になり、為替相場は一ドル=三・五ペソ前後で安定。死者が出た騒
乱から一年となる二十日の反政府集会でも大きな混乱はなかった。
しかし、巨額の債務返済のめどは立っておらず、物価上昇や失業
問題も深刻で、国家経済再建の展望は見えないまま。犯罪も増えて
いる。
十一月の工業生産は前年同月比2%増と二年四カ月ぶりにプラス
に転じた。ペソ安で輸入品と競合する産業部門が息を吹き返し、輸
出も回復したためだ。ドゥアルデ大統領は「景気は底を打った」と
強調する。
だが、ペソ切り下げで物価上昇は年率で40%。この一年で五十
万人が職を失い、失業率は21%を超えた。職を求めて約十万人が
欧米に脱出した。
社会不安で犯罪も急増、自動車盗は前年比40%増の八万件に。
身代金目的の誘拐も三日に二件発生し、首都ブエノスアイレスは「
ボゴタ、サンパウロに次ぐ南米の誘拐危険都市」と呼ばれている。
経済財政省の統計では公的債務は六月末で千百四十四億ドル。地
元紙によると、国内債などを合算すれば千五百三十九億ドルに達し
、国際金融支援の再開に向けた国際通貨基金(IMF)との交渉は
難航している。
IMFとの本格合意は来年四月末の大統領選を経て発足する新政
権待ちの状態だ。
その大統領選の行方も不透明。最新の世論調査によると、与党・
正義党のロドリゲス元大統領が支持率16%で首位だが、返り咲き
を狙うメネム元大統領、ドゥアルデ大統領との権力闘争が激しく、
党内調整の行方が焦点となっている。
大統領選を経て与党内の抗争が解消されれば、新大統領は安定し
た基盤でIMFとの交渉に当たれるようになるとの観測が強い。
アルゼンチン最高裁はドル預金をペソ建てに転換させた政府方針
を違法とし、再びドル建てに戻すよう命じる準備をしている。最高
裁はメネム氏の影響下にあるといわれ「政争の具」の色彩がにじん
でいる。
(了) 021223 1736
[2002-12-23-17:36]