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日本経団連(奥田碩会長)が新年に合わせて発表する2025年の将来ビジョン「活力と魅力あふれる日本をめざして」(略称・奥田ビジョン)の概要が21日、明らかになった。環境重視の製品開発で世界をリードする「環境立国」を目指すほか、中国、韓国などと「東アジア自由経済圏」を構築すべきだと提言。また、デフレを解消し、少子高齢化が進む中でも平均2%の実質成長を達成することを目標に掲げ、すでに講演で明らかにしている14年度までに消費税率を段階的に16%に引き上げるなどの税制抜本改革も盛り込んだ。
奥田ビジョンは今年5月に経団連と日経連が統合した日本経団連が、将来の日本のあるべき姿を描く初めての提言。国際競争の中で日本企業が生き残るには、「世界最高水準」の日本の省エネ技術や、公害防止技術を世界戦略として活用すべきだとし、燃料電池など環境に配慮した製品の開発を急ぎ、世界市場でビジネスチャンスを拡大すべきだとしている。
コスト競争で脅威となる中国や韓国など東アジア諸国とは「国内産業の空洞化と結びつけて、脅威論を振りかざすのではなく、新たな経済外交を展開すべきだ」とし、欧州連合(EU)並みの経済統合を目指す「東アジア自由経済圏」を構築すべきだと主張している。
また、民間主導でデフレを解消し、年金制度や安定成長を維持するためには、「雇用や経済成長への影響が懸念される所得課税や社会保険料にこれ以上依存せず、より薄く広く負担を求める消費税の引き上げで対応すべきだ」と主張。04年度から消費税率を毎年1%ずつ引き上げれば、14年度から16%に据え置くことが可能だとした。
消費税率の段階的引き上げは「実質金利を確実に低下させ、デフレ期待を払しょくし、住宅投資や個人消費を喚起する」と、メリットを強調。一方で、個人の住宅取得促進のための「相続税と贈与税の一体的な改革」、日本企業の国際競争力強化のための「法人税の廃止を視野にした、地方税を含めた実効税率の引き下げ」を主張している。 【川口雅浩】
[毎日新聞12月22日] ( 2002-12-22-03:01 )