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小泉首相は21日、来年3月に任期切れとなる日本銀行の速水優総裁の後任人事に関連し、新総裁との間で政府と日銀の政策協定である「アコード」(合意)を締結する方向で検討に入った。
デフレ克服のため、一定の物価上昇率を目標に金融政策を運営する「インフレ目標」の設定を念頭に、日銀に一層の金融緩和を促す狙いがある。
新総裁就任を契機に、金融政策の抜本転換を図る可能性が出てきた。
アコード締結は1950年代に米国で行われた例があり、竹中経済財政・金融相が提唱している。竹中氏は10月3日に速水総裁と会談した際、「政府・日銀が一体となって不良債権処理を進めるため、互いの役割を明確にすべきだ」とアコード締結とインフレ目標設定を提案した。しかし、速水氏は「責任が持てない」と難色を示していた。
このため、竹中氏は21日までに、速水氏の交代を機にアコード締結を進めるよう首相に進言し、首相も実現に向けて検討に入ったものだ。
この背景には、政府は深刻なデフレ状態からの脱出には、現状レベルの日銀の金融緩和政策では不十分との認識がある。首相が新日銀総裁の条件として「デフレ退治に積極的な人」「政府・日銀一体となって取り組める人」と強調しているのも、アコード締結受け入れを選任の事実上の条件としているものと見られる。
アコードを締結する場合、インフレ目標の設定が盛り込まれるかどうかが焦点だ。竹中氏が13日の経済財政諮問会議で示した、2003―2007年度までの経済政策の指針を示す「構造改革と経済財政の中期展望」(改革と展望)の今年度改定案にも、「政府・日銀が一体となって、できる限り早期にプラスの物価上昇率の実現を目指す」との表現を盛り込み、日銀にインフレ目標の設定を迫っている。
ただ、日銀側は、インフレ目標について「無理な目標を設定しても、中央銀行の信任を低下させるだけ」(速水総裁)と否定的で、アコード締結に対しても「中央銀行の独立性にかかわる」と消極的だ。このため、新総裁がアコード締結に抵抗する可能性もあり、流動的な面も残されている。
(12月22日09:13)