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『ニューズウイーク日本版12・25』は、「世界経済大予測2003」(デフレと恐慌の不気味な足音 グローバル化の幻)という特集である。
そのなかの「日本病が世界経済を脅かす」(日本:経済学の常識が通用しない「新種の不況」がアメリカとドイツにも広がるおそれがある)P.55を紹介させていただく。
『 ほぼ13年にわたって停滞を続けている日本は、グローバル資本主義への警鐘だ。世界の三大経済国が同時不況に直面する異常事態を迎えた今、アメリカとドイツも「失われた10年」に突入するのではないかという懸念が高まっている。
〈中略〉
不況に対しては財政出動と金融緩和という経済学の基礎的な処方箋も、もはや日本の病気には通用しない。「流動性のわな」という経済学理論(ゼロ金利でも景気が回復しない)も、日本によって実証された。デフレ、生産の停滞、失業の増加、消費の低迷など、日本には次々と症状が表れている。
アメリカも同じ病気にかかるのか。いくつかの重要な点で、アメリカの現状は日本と似ている。
2000年3月の株価急落以後、アメリカの企業と家庭が受けた損失は7兆ドルを超える。自動車など高級消費財の価格も下落しはじめており、デフレの初期症状ととらえる見方もある。
アメリカの金利はすでに台に二次世界大戦後最低の水準にあり、金融政策は手詰まり状態となった可能性も否定できない。しかも今後の利下げには、依然として活況の住宅市場を過熱させてバブル崩壊を招く危険がつきまとう。
それでも大半のエコノミストは、アメリカ経済が日本の二の舞になる可能性は低いとみている。
〈中略〉
アメリカは日本よりも雇用の流動性が高く、破産手続きも迅速に行われる。債務規模も小さく、企業と消費者が積極的にリスクを取ろうとする。
〈中略〉
過去10年のドイツの経済成長は日本と同水準。成長回復のために失業増加の痛みをこらえて進めるべき構造改革も、日本と同様に進んでいない。銀行は不良債権の増加で貸し渋りを強めている。
〈中略〉
公約に掲げた改革を指導者が実現できないという点も、ドイツは日本とよく似ている。ゲアハルト・シュレーダー首相は、ますます小泉純一郎首相のようになってきた。これはかなり心配な兆候だ。』
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★ 「ニューズウイーク」は偉そうにご託を並べているが、米国経済よりも日本経済のほうが本質的に健全であり力強い。
>アメリカは日本よりも雇用の流動性が高く、破産手続きも迅速に行われる。債務規模
>も小さく、企業と消費者が積極的にリスクを取ろうとする。
雇用の流動性が本当の意味で高ければ、日本より低かった失業率が日本を追い抜くことはなかったはずだ。
「破産手続きも迅速に行われ」て破綻企業が生き残って事業を継続すれば、主張している構造改革はできない。(身軽になってより安売り競争を展開するようになる)
政府レベルの債務規模をGDP規模べれば日本のほうが大きいが、日本は国内債権者に依拠しているが、米国は過半を外国の債権者に依存している。(“異常な政策”を採らない限り、米国は主体的に経済問題を解決できない条件にある)
企業と消費者が積極的にリスクを取れば、傷口をさらに大きくすることになる。
(大胆な設備投資を行ったり、借金して消費に走れば、その息が切れたときに、金融業界や債券を買った小金持ちが損失をかぶることになる)
列挙した理由では、「アメリカ経済が日本の二の舞になる可能性は低い」とは言えないのである。