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12/21 16:17 契約者不在のまま妥協 生保離れ再び加速も 金融22
共同
生命保険会社の破たんに備えた生命保険契約者保護機構の財源確
保に向けた金融庁と業界の交渉は、業界が追加負担に応じ、公的資
金枠が来年度から三年間存続することになった。しかし性急に妥協
を図り「契約者保護の在り方をめぐる本質論は置き去り」(業界筋
)のままだ。保険金の削減につながる予定利率引き下げの検討も政
府、与党内で始まり、再び国民の生保離れが進む恐れがある。
▽行政不信
「公的資金を使いたくないからといって、次々と負担を押しつけ
るのは理不尽」(大手生保幹部)―。
金融庁は十一月末、来年三月末に期限切れを迎える保護機構の公
的資金枠(四千億円)の延長の条件として、約三千四百億円の業界
負担枠の設定を要求。一九九八年の機構発足以来、総額五千六百億
円を投入した業界は猛反発した。
背景には金融行政への根強い不信感がある。機構発足後に六社の
生保が破たんし、三社までは業界枠が使われた。業界枠の残高が現
在の二百二十億円まで減ると、金融庁は機構の資金を使わず事業を
継承する企業の負担などで処理。国会の承認が必要な公的資金枠に
は手を付けていない。
金融庁は自民党の後押しで多数派工作を展開。十二月半ば、業界
枠を一千億円に圧縮する譲歩案を示し折り合った。過去の破たん生
保の清算終了後に機構に五百億円程度が返還され、業界の実際の追
加負担額は三百億円程度となる。
ただ業界も一枚岩ではなかった。経営規模の比較的小さい生保は
「公的資金枠は契約者の安心感につながる」(首脳)と存続を求め
たが、日本生命保険など大手の一部は「追加負担するぐらいなら公
的資金枠はいらない」と強硬だった。
▽しわ寄せ
交渉過程で一部大手生保は決裂に備え、公的資金に頼らない破た
ん生保の処理、再生スキームの検討に着手。だが破たん生保の契約
者保護に、健全な生保の契約者が払った保険料を使うことの是非ま
で突っ込んだ議論はなく、負担額をめぐる駆け引きに終始した。
一方、金融庁と自民党は、生保が契約者に約束した運用利回りで
ある予定利率を、破たん前に引き下げられるようにする制度の導入
についても検討している。自民党は「不振生保の経営を抜本的に改
善する」(幹部)ため、年明けから議論を本格化させる構えだ。
不良債権問題や株価の下落で金融システムが不安定な状態が続く
中で、生保破たんは深刻な金融危機の引き金となる。銀行は生保に
巨額の基金や劣後ローンを拠出し、生保も銀行にさらに巨額な劣後
ローンを拠出しているからだ。
しかし予定利率引き下げは、契約者がしわ寄せを被る点で保護機
構への追加負担と同じだ。昨年、金融審議会で議論した際は、生保
不信は解約急増という形で業界を脅かした。
続き (改行で次頁 S:次文書 E:終了)
>(了) 021221 1616
[2002-12-21-16:17]