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ここ2年来世界経済が全般的に停滞する中、中国経済の持続的成長ぶりが世界の注目を浴びている。しかしながら中国経済の実力と今後の発展については客観的な評価がなされるべきで、不当に低い評価も高すぎる評価もしてはならない。客観的でない評価に基づいていわゆる「中国脅威論」を展開したり、世論を誤りに導いて真相を歪めたりすることは厳に慎まねばならない。
最近、日本の経済学者が「日本工業新聞」紙上で「中国脅威論」について討論した。それによると、中国を世界の工場と言う人がいるが、この言葉は中国加工業の急成長を表現したものに過ぎない。資本集約型と技術集約型の製造業分野において、中国はまだ初期段階にあって新興国家の域を出ておらず、実態は世界の工場からはほど遠い。現段階では、中国と日本などの隣国との経済貿易関係は、競争関係にあるのではなく、協力し補完しあう関係にある。こうしたことから、中国を脅威というには当たらないことがわかる。同時に、日本は中国の発展チャンスを正確に見極めて、これを日本経済を促進させる材料として十分に活用し、両国経済の相互補完性をより一層高めていかなければならない。
こうした日本経済学界の有識者の意見から、中国が世界経済の中でどのあたりに位置するか、どれくらいの実力を備えているか、また急速な発展が周辺地域に与える影響といった問題について、世界中の関心が日増しに高まっていることがわかる。一般的には、世界貿易機関(WTO)加盟後の中国では、経済成長の機運が大いに盛り上がっていると認識されている。だが全体的な評価を下す際には、中国経済の産業構造、国有企業改革、銀行の不良債権リスク、環境といった問題点も忘れてはならない。客観的、全面的、好意的な態度で中国の発展と問題点を評価さえすれば、「中国脅威論」や「中国崩壊論」にはなんの根拠もないことがわかる。
中国の経済発展に対し、現在二つの見方が主流となっている。一つは、中国の加工能力と製造能力が強化されるにつれ、輸出が増加して他国の関連産業や製品に挑戦することになり、これは他国の関連産業や製品自身の競争力を高めるチャンスにもなるという見方で、中国の優位を認めると同時に、長所を取り短所を補うことを強調し、外部の優位性をいずれ自身の優位性に転換させようとするものである。もう一つは、競争における失敗原因を中国製品の「不当な競争」になすりつけ、さらには政治的要因を利用し貿易摩擦を激化させようとする見方であるが、このようなすべての非は中国に起因するとする見方は、チャンスを見誤らせるものであり、経済グローバル化の挑戦の前になす術もなく敗退することになる。
先ごろイギリスの「フィナンシャル・タイムズ」紙に、「中国脅威論」と「世界の工場論」を展開する衝撃的な文章が掲載された。その文章は「中国の隣国は、尊敬の念と恐れの気持ちをもって、世界最多の人口を抱えるこの国が世界の工場になっていく様を見つめている。東アジアにとって、中国の存在はますます強大になる。この経済大国が軍事大国に変貌する日もそう遠くなく、東アジアが大きな戦争の発火点となる可能性は高い」と述べる。また一部保守派の人々の意見を引用して、中国発展後の地域情勢と過去にドイツがヨーロッパ戦争の震源地となった歴史を重ね合わせて論じることさえしている。それでは貧しい中国だけがアジアの安全と安定に貢献できるというのだろうか。
世界最大の発展途上国として、中国の担う発展への責任は重く、その達成への道も遠い。これまで中国はアジア諸国と手を結び、地域と世界の平和と安定を実現することを自らの目標としてきた。中国の発展は、アジア経済の発展促進ひいては世界の平和と安定に役立つことになる。
「人民網日本語版」2002年12月20日