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▼19日のポイント@/「米ドル・サポート」型政策ミックスで当面、円に下押し圧力 [Yen Dokki!!]
UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、@日米政策ミックスについて、A日銀総裁人事について(続々々報)の2点を挙げる。
<対外不均衡の存在を無視した日米政策ミックスの「背景」> 日本の経常黒字(貯蓄超過)、米国の経常赤字(投資超過)といった不均衡を考 えれば、教科書的には、「日本は財政刺激、米国は金融緩和」というのが、適切な政策ミックスであろう。日本は、円高になるリスクを許容しながら、財政政策 で内需の振興を図る一方、米国は、ドル安による実質金利低下によって製造業の 競争力の回復を図る、ということである。しかし、「現実の世界では、基本的には 、逆の政策ミックスが演出されようとしている」と語る。日本は、「緩やかに財政政策を 緊縮化しつつ、一段の量的緩和を行い」、米国は、「金融政策を当面様子見とす る一方で、さらなる減税措置を打ち出す」方向にある。 こうした、「対外不均衡の存在を無視した日米政策ミックスが採用されようとして いる背景は何であろうか」と問題を提議する。
<ドルの信認を自ら崩すコストはあまりに大きい> 白川さんは、その背景には大きく分けて3つあるものとみている。まず、第1には、米国経済における製造業のウェイトの相対的な小ささである。非 農業部門雇用における製造業のシェアは今や12−13%しかない。日本では依然と してこれが20%程度はある。「米国政府にとっては為替安によって製造業をサポー トすることのメリットが相対的に小さい」。第2には、ドル安政策は米国における 長期金利の大幅上昇といったリスクを伴うことである。米国は90年代半ば以降、 対外債務を大きく膨らませた(民間債務は5兆ドル程度増加したが、政府債務も 幾分増加した)。「ドルの信認を自ら崩すことのコストはあまりに大きい」と言う。為替安を演出できても長期金利が上昇し、経済におけるウェイトの大きな非製造業の経済活動にダメージを与えたのでは意味がない。第3には、日本の財務当局に「ケインジアン型の財政刺激は効果なし」との見方が定着していることである。
<将来の為替市場には不安定化要因も・・・> 対外不均衡の拡大といった、将来の為替市場不安定化要因は強まるものの、「米 ドル・サポート」型の政策ミックスによって、「当面は、円相場に下押し圧力が継続する」ものと引き続き読んでいる。
▼19日のポイントA/官邸・自民支持「中原日銀総裁」に最後のハードル [Yen Dokki!!]
UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんによると、同社がみている、総裁候補の確率分布は次の通りーー。中原伸之氏(元日銀審議委員、68、首相官邸・自民党が支持)が55%、尾崎護氏(元大蔵省事務次官、国民生活金融公庫総裁、67、財務省が支持)が30%、福井俊彦氏(元日銀副総裁、富士 通総研理事長、67、財界・日銀が支持)が15%、である。敢えて言えば、田中直毅氏の確率もゼロではないが、極めて小さい。
<まず国債買切りオペの大幅増額とベースマネー ・ターゲット移行> 中原氏のハードルは、「財務省からの支持をある程度取り付けることが可能であるか」であると言う。財務省は、中原氏のやや過激なリフレ論が債券市場を壊してしまう リスクを警戒している。しかし、詰まるところ、仮に中原氏が就任するとすれば 、「それは事前に財務省との間で「国債市場に対して優しい政策を継続すること」 に合意した場合」と見ている。中原氏は、総裁に就任しても、すぐにインフレ・ター ゲットを叫ぶのではなく、「まずは、国債買い切りオペの大幅増額とベースマネー ・ターゲットへの移行を主張することになる」と読むべきだと言う。膨大な流動性供給によって、イールドカーブがさらにフラット化するとともに、為替相場が軟化する、とのシナリオを描くべきではないか。
<中原氏就任は、株式・債券両市場にとってプラス材料> そして、「長期金利の低下と為替 円安化が同時に生じることで実質長期金利が低下すれば、株価も下支えされるこ とになろう」。中原氏が就任するからと言って、強引なリフレ策をすぐには想定できないものの 、流動性供給の一段の増加を見込めることは、株式・債券両市場にとってプラス 材料であると考えたい。