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「みずほ銀行とみずほインベスターズ証券、みずほコーポレート銀行とみずほ証券、この2つの銀行・証券の合併を実現すべく当グループとしては金融庁を中心とした関係当局に対して“証券取引法65条”の改正を今後も強く要望し続けていく−」
みずほホールディングス経営中枢幹部はこう断言する。
「なかでも、みずほコーポレート銀行とみずほ証券の合併構想に関して言えば、旧興銀勢にとってまさに悲願とも言うべきもの。何とか実現させたい−」(旧興銀幹部)
改めて説明するまでもなく、みずほ銀行とみずほインベスターズ証券はみずほグループにおいて、個人および中小企業取引を中核とするリテール部門を所轄する銀行・証券会社だ。
これに対してみずほコーポレート銀行とみずほ証券は、大企業取引を専業とするホールセールに特化した銀行および証券会社といえるだろう。
「そもその、みずほ銀行の基本コンセプトは、“民間版郵貯”。したがってみずほ銀行としては、みずほインベスターズ証券との合併の必要性をさほど感じていない。銀行と証券の合併については、法改正を待たずしても、“共同店舗”の解禁によって事実上の融合は進んでいるのが実情だ。これに対してみずほコーポレート銀行の基本コンセプトは、“本邦唯一の投資銀行”。この基本コンセプトを実現させるためにも、みずほコーポレート銀行とみずほ証券の合併は是が非でも実現させたいところなのだ−」(みずほグループ役員)
去る12月4日に発表になったみずほグループのグループ再編計画も、このセンテンスで読み解くとその狙いとするところがよくわかる。
みずほグループは、来年3月中旬に新たな金融持株会社、「みずほファイナンシャルグループ(みずほFG)」の設立を決めた。
「既存の持株会社(みずほホールディングス)の上にさらに新たに持株会社を作るというのですから、まさに“屋上屋を架ける”を地でいくような施策で、その狙いとするところがよくわからない−」(大手都銀役員)
確かに、新金融持株会社である「みずほFGを設立する狙いがよく分からないというのが、関係者の一致した見方だ。
しかし、今回のグループ再編を通じて、みずほグループ内の銀行と証券の位置づけが鮮明化する。
つまり、みずほ証券はみずほコーポレート銀行の子会社に、みずほインベスターズ証券はみずほ銀行の子会社に、それぞれ明確に区分されることになったのである。
この2つのラインは、相互不可侵状態になるのは明白。従ってこのままでいくと、みずほコーポレート銀行グループがグループ内で独立色を鮮明にしてくるのは間違いない。事実上の旧興銀勢の独立宣言とも受け止められる」(みずほグループ経営中枢幹部)
別のみずほグループ経営中枢幹部が言う。
「そもそも前田晃伸社長にこれだけの大組織をまとめていくのは、土台無理な話。将来的には、みずほグループは事実上の解体の方向に向かうことは明白だ」
2002/12/18