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【ジュネーブ大木俊治】欧州委員会は16日、世界貿易機関(WTO)新ラウンド交渉の農業分野で、(1)輸入関税の平均36%引き下げ(2)輸出補助金の平均45%引き下げ(3)国内助成を全体で55%引き下げ――を柱とする新提案を発表した。農業交渉はこれで日米欧の提案が出そろい、来年3月の交渉枠組み(モダリティー)合意期限をにらみながら、年明けから交渉が本格化する。
提案の内容は現行のウルグアイ・ラウンド方式がほぼ踏襲された。関税引き下げ方式は「品目ごとに柔軟性を持たせる」とした日本提案と同じで、一律大幅引き下げを求める米国やケアンズ・グループ(農産物輸出国)と対立する。ただ、具体的な数値目標を盛り込んだのが日本と違い、「数値を出すのは時期尚早」としてきた日本への圧力が強まる可能性もある。
提案では途上国への優遇策を盛り込んだほか、「食糧援助」規定の明確化▽農業生産額でシェアが低い部門の国内助成を無条件で容認する「デミニミス」規定の廃止――など、米国が「隠れ蓑」として使っている輸出補助策を攻撃対象にした。一方で、現行の輸出補助金については「削減」どまりで、撤廃の約束を求める米国や途上国からは批判が予想される。
[毎日新聞12月17日] ( 2002-12-17-19:49 )