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小泉首相(右)と関係閣僚からなる再生戦略本部。ゼネコン淘汰は現実となるのか
ゼネコン大倒産時代へ−。不良債権を買い取って企業の再生を推進する「産業再生機構」の概要が17日までに、ほぼ固まった。銀行が真っ先に手放したい問題債権をそのまま買い取ることがないよう、対象企業を厳しく選別する方針だ。債権放棄を受け、世間から批判を浴びるゼネコンに対しては、国土交通省がさらに厳しい買い取り基準を独自に定め、安易な救済はしない方向。ゼネコン業界に大胆なメスが入るのは必至で、再生機構が発足する来春以降、淘汰(とうた)・再編の嵐が吹き荒れる。
谷垣産業再生担当相が先週末、「(銀行の損失を肩代わりするような)考えで仕事しているわけではない」と示唆した通り、政府がまとめた産業再生機構の概要は厳しいものになる。19日にも3回目の会合を開き、正式決定する予定。
その基本方針は、再生機構が銀行の不良債権を高値で買い取る“飛ばし機関”には決してならないことを強調した点である。
買い取り申請のあった企業を選別するのは、まず改正される産業再生法の認定基準。再建計画の終了時点で、ROE(株主資本利益率)の2ポイント以上の上昇や、負債が年間キャッシュフローの10倍以内に財務が改善されるかなどを定める。
また、機構が買い取った後に再建がうまく進まないと、機構側に損失が発生するだけに、買い取り価格を「適正な時価」とし、機構が債権を売却する場合も買い手がつくことを判断基準として含める方向だ。
しかし、問題企業として最も注目されるゼネコンに関しては、国交省がさらなる厳格な基準を独自に定める予定。債権放棄(借金棒引き)を受けたゼネコンが受注の際にダンピング合戦を繰り広げ、まったく財務が改善しない悪循環に陥っているためで、機構を活用しながら、業界自体の淘汰・再編を加速させるのが最大の目的だ。
日本建設団体連合会の受注調査(会員65社対象)をみてみると、平成13年の受注総額は前年度比8.1%減の14兆1820億円で、2年度の27兆円と比べると半減。一方、公共事業費の今年度予算は10%カット、来年度予算概算要求基準(シーリング)も3%カットなど、「公共事業のパイ」は縮小が続く。
奇妙なことにゼネコン自体の数は減るどころか、逆に増えるという構造も解消しない。
こうした事情から、ゼネコン業界自体の健全性を高めるため、全国展開する大手ゼネコンなどを対象に市場からの退場、つまり「法的整理」まで辞さない構えで挑むとみられる。
自民党などとの今後のすり合わせによって状況は変わるが、再生機構行きにならなかったゼネコンは淘汰・再編の渦に巻き込まれる可能性は高い。