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UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんは今日のポイントとして、@輪番オペ2兆円へ? A日銀総裁人事について(続々報)の2点を挙げる。
【1】輪番オペ2兆円へ?
<財務省は、日銀の国債買切りオペ増額をしつこく迫る> 来年度当初予算における新規国債発行額は36兆円台の半ばとなる見込みである。 市場が予想していた金額よりも1、2兆円少ない金額である。ただ、補正予算に 絡む国債発行額は5兆円程度であるため、合計すれば、今年度当初予算ベース( 30兆円)に比べて国債発行額が12兆円規模に拡大することになる。財務省の最も 重要な政策課題は、需給の悪化による国債利回りの上昇を避けることである。「国債金利の上昇を抑制し、利払い負担の増加を回避することで、時間稼ぎをすることが至上命題」であるとして、財務省は日銀の国債買い切りオペ増額を今後もしつこく迫っていく」と見る。
<輪番オペは今後1年以内に月額2兆円にまで拡大へ> 日銀の輪番オペは、「今後1年以内に月額2兆円にまで拡大する」と予想する。12兆円分 の国債増発をカバーするためには、輪番オペの額を、今年度当初(月額1兆円) から1兆円上乗せする必要があるからである。政府内部では既に「輪番2兆円」 がターゲットになっているとみられる。「輪番2兆円」を来年12月会合までに 達成するとして、問題は、月額2000億円の増額(4回)をどのタイミングで決定 するか(決定させるか)である。同社では、この点について、「来年3月までに2 回、来年度に2回」と予想している。月額8000億円分の増額をコンスタントに行う とすれば、四半期に1回のペースで2000億円の増額を決めればよい。だが、@1−3月期には米軍のイラク侵攻といったドル安要因が控えていること、A年度末に向けた 金融不安・信用不安対策の必要がある。このため、「政府は早期のうちに4000億円 の増額を迫ることになろう」。(日銀の抵抗によってこれが実現しない場合には、 4月以降の新体制の下で輪番増額が加速するだけのことであろう。)。なお、今日の決定会合で2000億円の輪番増額が決定される可能性は50%と言う。「日銀は企業金融支援措置の決定によって1回分時間稼ぎをする可能性がある」からである。
【2】日銀総裁人事について(続々報)
<次期総裁には、尾崎氏など大蔵省OBの可能性も・・・> 昨日から大きな変化はない。同社がみている基本的なシナリオは、早ければ、今週末から休み明けの24−25日にかけて、総裁・副総裁候補の内定者が報道さ れ、これを政府が追認(黙認)する、といったものである。現時点で当社が予想 する、新正・副総裁の組み合わせは、総裁に、中原伸之氏(元日銀審議委員、67)、副総裁に、植田和男氏(現日銀審議委員、51)、黒田東彦氏(現財務官 、57)、というものである(確率は55%程度で不変)。ただ、依然として、 首相官邸、財務省、経済界の足並みに乱れがあるとみられ、「最終的に、次期総裁 が大蔵省OB(国民生活金融公庫総裁の尾崎護氏が有力)で決着する可能性も残っている」と言う。