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先週、大手銀への公的資金投入を巡り「頭取の首を取る」と息巻いた竹中平蔵金融・経済財政担当相だが、今度は「当たり前のことをやろうとしているだけなのに、やられたら困る、とぬくぬくとしている人たちがいる」と、メガバンクなど大手銀経営陣を痛烈に批判。来春の金融再生プログラム始動を前に、竹中vs大手銀・自民党の大バトル第2ラウンドで本格逆襲に打って出た。戦いは一層熾烈(しれつ)を極めるには必至の情勢だ。
「ぬくぬくしている人たち」−。15日に出演した民放のテレビ番組で竹中氏はまず大手銀経営陣をヤリ玉にあげた。
さらに、「不良債権処理を行った世界中の銀行で同じことをやっている」と自らのハードランデイング路線の正当性を強調して、大手銀や自民党による竹中包囲網に大反撃した。
この「同じこと」というのはむろん、金融再生プログラムで示された、「自己資本のカサ上げ」と批判する自己資本の計算法の「繰り延べ税金資産」(税効果会計)の米国流の見直しに加え、貸出債権(資産)に対する査定の厳格化、自己資本の充実、企業統治(コーポレート・ガバナンス)の強化などのことだ。
税効果会計の見直しについては、「これで大手銀を資本不足に追い込み、公的資金の再注入を申請させて経営陣に責任を取らせ、国有化する」という、竹中氏の当初の狙いが込められていると考えられていた。
だが、これに対する銀行業界や自民党の反発は凄(すさ)まじかった。同プログラムの10月末の公表時点でさえ、税効果会計見直しは先送りに追い込まれ、先月29日に公表された同プログラムの作業工程表でも「金融審議会で年内に検討開始」と実施時期を明記できないありさま。
「半年ほど議論して経過報告を求めたい」(竹中氏)とトーンダウンしてしまった。
過去に2度、血税の公的資金の注入時、政府保有の議決権のない優先株を普通株に転換することで、政府が経営にタッチするようになる「実質国有化」や公的資金の強制注入も、劇薬ショックで株価の急落を招いた。
このため、金融パニックを引き起こす恐れが強いとして、竹中氏のもくろみに対し、高いハードルとなっていた。
そこに再び、銀行株を中心とする株価の急落という市場からの「大反発」も突きつけられ、すっかり弱気に。
ところが一転、11日の衆院財務金融委員会では公的資金が注入された場合に銀行トップは「ふさわしい責任のとり方がある」「経営の怠慢で公的資金投入となった場合、これはもう社会の常識だ」と、頭取の首を取ることを明言した。
それに続き、15日のテレビ出演の際の重ねての銀行批判となったのだが、発言の裏にはいくら銀行側が反竹中で足並みをそろえても、現実には国際決済銀行(BIS)規制に基づく国際ルールの自己資本比率8%の維持が簡単ではないということがあるようだ。
大手銀は、総資産の圧縮策として、海外向け債権の貸し剥(は)がしも行う一方、親密な取引先に大増資を要請しているが、企業間の株式持ち合い解消が流れとなっている昨今、優先株主体の大量の新株を引き受ける企業がどれほどあるのか不透明とされる。
竹中氏、大手銀、ともに有利、不利な状況を抱え、第2ラウンドの行方は混とんとしている。