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BNPパリバ証券会社・経済調査部チ−フ・エコノミストの河野龍太郎さんは、かねてより、「産業再生」といった考え方に極めて懐疑的であり、「一歩間違うと、ひどい結果をもたらすリスクが高い」と考えている。政府による銀行部門 への直接介入が容認されるのは、あくまで金融システムが公共財であるためで、「政府が一般の事業会社に対して直接介入を行う理論的根拠はあまりない」からだ。
<社会主義的政策に手染めるより、デフレ除去に尽力を> 「問題企業は淘汰し、存続可能な企業は政府の力で再生させる」といっても、 いったい誰がどのような基準で、企業の生死を決めるのか 。「恐らく は、当初の意図とは正反対に、政府が問題企業を延命させることに手を貸す結果になる」と見ている。収益低迷が続いている企業は確かに問題だが、その原因はデフレや低成長であり、民間企業の自助努力では対応不可能なこともある。「社会主義的な政策に手を染めるリスクを冒すよりも、デフレや資産デフレを除去するた めに、マイルドなインフレ醸成策を採用することが先決だ」と考えている。
<事態をさらに悪化させる産業再生機構> 「念のために付け加えると、私は問題企業を延命させろと主張しているわけではない」。問題企業を政策的に延命させることは明らかに誤りであり、、衰退産業保護 につながる政府の規制を取り除くことには大賛成と言う。しかし、非効率な経済主体 を取り除くことで、経済が長期停滞から脱することができると考えるのは間違いとして、こう語る。「診断を誤ると問題が解決できないばかりか、事態をさらに悪化させてしまう。 きっと、産業再生機構がそうなるだろう」