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ニューヨーク 12月15日(ブルームバーグ):今週の米国株式相場は、米企業の第4四半期(10−12月期)業績をめぐるアナリスト予想や企業による業績見通しの下方修正が続くようならば、続落する可能性がある。
メリルリンチが調査会社トムソン・ファースト・コールのデータを基にまとめたところによると、過去3カ月で、アナリストが業績予想を上方修正したS&P500種構成企業の数は下方修正した企業数の3分の1にとどまっている。同比率は過去1年で最悪。業績予想引き下げの対象には、米総合電気のゼネラル・エレクトリック(GE)など有名企業も含まれる。
ジュリアス・ベアー・インベストメント・マネジメントで39億ドル相当の運用に携わるギャラガー氏は「アナリストは通常高めの予想から出発し、現実に合わせて徐々に引き下げていく」として、「アナリストの下方修正が止まったら、業績が上向きつつあるということだ」と説明する。ファース・コールのまとめによると、S&P500種構成企業の10−12月期の平均増益率は14.9%と予想されている。11月時点の予想は16.8%、9月時点は22.4%だった。
先週は、S&P500種株価指数とダウ工業株30種平均は前週末比2.5%安、ナスダック総合指数は同4.2%安と、3指数そろって2週連続で下落した。週間ベースの続落は10月4日までの週以来。今週は、ニューヨーク市のバス・地下鉄労働者がストに突入した場合、商いは通常より細る可能性がある。
四半期最後の2週間
また、四半期最後の2週間は企業による業績見通し修正の発表が増える時期と見る向きもあり、今週から同期間入りとなる。エーレンクランツ・キング・ナスボームの株式ストラテジスト、カリノースキー氏は、見通しを下方修正する企業が多いと予想している。
7−9月期末には、コンピューターサービスのエレクトロニック・データ・システムズ(EDS)や米銀2位のJ.P.モルガン・チェースなどの見通し下方修正で、S&P500種とダウ工業株平均は四半期ベースで、過去15年間で最大の下落を記録した。
先週発表の新規失業保険申請件数が前週から急増して景気の弱さを示したことに原油価格の上昇も加わり、企業の増益率鈍化への懸念は高まっている。
今週の予定
今週は、証券大手のベアー・スターンズが18日、モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス・グループ、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが19日に決算を発表する。GEは17日にアナリスト向け電話会議を行う。
一方で、10−12月期の増益率が7−9月期の7%を上回ることもあり得る。グルーパマ・アセット・マネジメントで50億ドル相当の運用に携わるブロンゾ氏は「業績に関する基礎的条件は大きく改善している」と指摘。「いつ状況が改善するか分からないとしていた多くの企業が、今は事業が安定したと述べている」と説明した。
今週発表の指標では、17日発表の11月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇と、物価安定が示されそうだ。同日発表される11月の住宅着工件数は、年率換算168万戸と、10月の160万3000戸を上回る見通し。19日発表の先週(8−14日)の新規失業保険申請件数は40万1000件に減少するとみられる。ただ、経済指標にかかわらず、企業が業績見通しを上方修正するとみる運用担当者は少ない。
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