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ブッシュJr父親の轍を踏まないように、2年後の大統領選を睨んだ経済立て直し始動
投稿者 Ddog 日時 2002 年 12 月 15 日 23:49:00:


内外政治経済・短期金融市場の動向 橘田週間リポート12月9日号

ブッシュ大統領は2年後の大統領選を睨んで経済を立て直すため、経済閣僚2名を更迭した。外為市場は米国がドル安容認へと変化したとみてドル安・円高となってきたが、先行き本当にそうなるだろうか●

ホワイトハウスは12月6日「オニール財務長官とリンゼー大統領補佐官(経済政策担 当)がブッシュ大統領に辞表を提出した」と発表した。この発表を受けて、外為市場ではそれまでの円安の流れが一気に変化した。特に日本の構造改革に伴う円安・ドル高に寛容であったリンゼー大統領補佐官の辞任は、市場では円買い・ドル売りの材料になるとのイメージを高めたようである。両氏の辞任は大統領の要請に応じたものであり、事 実上の更迭とみることができる。11月5日の中間選挙前から両氏の辞任観測は強まっていた。
オニール財務長官については、ブッシュ政権発足当初から米議会や金融市場関係者から「市場との対話ができていない」という批判も多く、評価は高いとは言えず、ブッシュ政権の経済政策への評価を下げる大きな要因のもなっていた。当初、両氏の辞任時期については年明けに大型減税策をまとめた後とかイラク戦争が終った後との見方が大勢であった。
しかし、6日に発表された11月の失業率が7ヵ月ぶりに6%台に上昇するなど、米景気の先行きに不透明感が一段と強まってきた。大統領は経済政策に対する国民や市場の信頼が落ち込み、このままでは2年後の大統領選で父ブッシュ大統領と同じく再選を果たすことができないという危機感を強めたことで、信頼回復には経済政策担当チームを早急に改造するしかないと決断した。
いずれにせよ、今回の経済政策担当閣僚交代は、2年後の大統領選を意識した政治的な思惑が見え隠れしていることだけは間違いない。大統領とすれば、経済問題で失敗した父ブッシュ大統領の「轍」だけは踏みたくないという思いが強かったようである。
先週の東京外為市場では、財務省の黒田財務官の円安誘導的な発言や、塩川財務相の購買力平価を引き合いにした1ドル=150〜160円の適正水準発言などの通貨当局による相次ぐ円安容認発言を受け、市場参加者の多くは円安基調が続くものとみていた。しかし、「強いドル」路線のオニール財務長官らの突然の辞任で円安容認の流れは一気に変わった。市場関係者の間では、強いドルを基本とする米政府の通貨政策が転換される可能性があるのではないかとの見方が有力となってきた。
ブッシュ政権は、クリントン前政権と異なって日本の政策運営に細かな注文をつけず、小泉政権の構造改革を支持する姿勢を取り続けてきた。オニール長官も、国際会議では日本の生産性の向上などを後押しする態度を取り、対日圧力は表面化してこなかった。今回の両氏更迭の引き金は、オニール長官については、年明けに向けてブッシュ大統領がまとめる大型減税に対し財政悪化への懸念から消極的だったこと、またリンゼー補佐官については、イラク戦となれば数兆ドルの資金が必要と唱え、イラク開戦による財政悪化説を国民に訴えたことなどである。
このところ日本では、円安容認論が浮上して政府高官が円安効用論を唱えている。これに対し、米国でも短期金利がゼロに近づき、金融政策の幅が狭まったことを受けて、米景気の回復に必要な政策はドル安によるリフレ策だとの見方をする学者が多くなってきている。また、為替政策は効果的なデフレ対策であるという考え方が世界中で浮上してきている。こうしたことは、デフレがグローバル化してきていることを示すものである。
米国の学者は、1933〜1934年の大不況時にドルを金に対して40%切り下げて成果があがったことを強調している。米国がもしドル安誘導をすれば、円高やユーロ高を招くことは必至である。そうなれば、日・欧・アジアでは輸出が伸びず景気が低迷することに加え、米国と中国からの輸入増により物価が下がるのでデフレがさらに強まってくる。日本は輸入の約70%がドル建てなので、影響は大きくなる。
米国では、最近の日本政府高官による円安容認発言について「不良債権処理対応策に財政政策を出し惜しんだ日本の財務省が円安によりデフレを克服しようとしているものにすぎず、改革を先延ばししているだけのものである」と冷たい評価をしている。今までイラク開戦に目が向いていた市場の関心は米国の景気に集ってきている。
今週の為替相場は、後任の閣僚人事や今後年末から来春に発表される経済政策などを見極めながら神経質な展開が続いていきそうである。米国からみれば、日本のデフレ対応策は時間稼ぎの内容で、やらなければならないことをしないで円安誘導だけで乗り切ろうとしていると受け止めている。こうなれば、グローバル化した世界経済の中で弱体国が対抗し合い、通貨の切り下げ競争に発展する可能性が高まってこよう。
世界にデフレを輸出している中華人民元だけが一人安泰という結果にもなりかねない。塩川財務相の「人民元に通貨切り上げを要請したい」という発言はデフレ国の本音であろう。
ところで、米国のドル安容認論にも限界がある。オニール氏に代わってドル安容認論者が財務長官に採用されるのではないかとの日本での危機感は強くなっている。しかし、米国にはドル高でなければならない大きな要素が二点ある。まず第一点は、少々は改善されたとはいうものの、多額な経常収支の赤字がいまだに続いていることである。
ドル安によって急激な資本流出が起これば、国債は大幅な増発を迫られ、長期金利は急上昇し、国債の消化は進まない上に民間社債の金利上昇と社債の消化が進まず、直接金融の金利制度に崩壊の危機が訪れることになる。第二点は、イラク開戦のリスクである。
イラク開戦による地政学的リスクで、米経済は景気が一段と悪化し、急激な資本流出が起こりかねない。以上の二点をみただけでも、米国とて「景気回復に必要な条件はドル安によるリフレだ」と簡単にドル安容認政策に踏み切ることはできない。もしイラク開戦となれば、デフレの進展は世界各国が共有しなければならない問題となる。イラク開戦となれば、地政学的リスクとして米国のドルは「強いドル安」というリスクを受けることは必至である。円相場は1ドル=115円割れも必至との見方が強まってきた。
もしイラク戦が長期化すれば、ドル安の長期化は現実のものとなろう。こうした場合、日本のドル安対応策は、不良債権処理とそれを支援する金融の一段緩和や抜本的減税しかない。イラク開戦となれば、米国は日本に対しても開戦にかかわる負担を共有してもらうことを要求してこよう。イラク戦が、もし6ヵ月以内の短期に終われば、戦費は1,000億ドル、長期化すれば2,000〜3,000億ドル必要と言われている。いずれにしても、日本の負担金はその2割程度になるものと考えられる。
このようなことを考えると、同盟国である日本が財政再建に苦しんでいる中で、ドル安政策でさらに日本を苦しめるような政策を米国は取り難いと考えられる。小泉首相は、国内での反対を押しきってインド洋にイージス艦の派遣を決定した。これも対テロの協力である。米国では通貨政策にイラク開戦が絡んでくる。対テロ戦争によって米国景気が落ち込みかねない時に、各国が協力す るのは当然との考えが米国では強い。
今回の経済関係閣僚の交代も、米ドル安容認論の始まりであると受け取る関係者が多く、年末から来年初に向けての急激な円高・ドル安論が強まってきた。円高論を唱える「今年最後の円高大合唱」である。円高・円安論にはいずれもそれぞれの思惑がある。米国は、イラク開戦で急激なドル安・円高が起こって米国からの激しい資本流出が起きては困る。流出が起きない程度の緩やかなドル安誘導が起こることを望んでいるようだ。
こうした時に、日本の安易な円安政策による景気回復策は受け入れられないというのが、米国の今後の為替政策に対する答えのようである。従って今回、米国の経済閣僚が2人交代したからといって、新任の閣僚が共にドル安容認論者で固められるということにはならない。米国でドル安待望論が強まっていることは事実であるが、人為的なドル安策によって相場水準を変えていこうという空気は起こっていない。今後、米国が日本に為替面で要求してくることがあるとすれば、イラク戦で発生したドル安に伴うデフレ圧力を回避するためには「日本はリフレ政策で克服して下さい」ということであろう。

ところで、米国のドル安が進むと資金が米国からユーロ圏に向かうことによりユーロ高・ドル安の動きが強まるとの見方があるが、現在ユーロ圏経済の三分の一を占めているドイツが資産下落など悪性のデフレスパイラルに向かっている状況にあり、投資妙味はない状態にある。残されたかすかな希望は世界経済、とりわけ米国経済がすぐにも回復し、ドイツから大量に輸出が可能になることである。しかし、米国も同じくデフレ懸念の様相に直面している。リセッションとデフレが同時進行しそうな状況にドイツ経済は置かれており、米国からユーロ圏にどんどん資金が流れていく状態は起こりそうにない。
イラク開戦でドルが一時的に115円程度まで売られても、日本とかユーロ諸国の景気の悪さを考えると、ファンダメンタルズからもドルが売られていく要素は少ないと言えよう。円の対ドル相場は、当面1ドル=122〜128円程度の動きとなるのではなかろうか。米財務長官の交代で円安傾向に転機も出てくるとの見方は強いが、後任が決定した段階でそうした不安感は一掃される可能性も考えられる。それにしても日本の景気は来年、不良債権の本格的処理の推進で米国に比べ悪い状態が続くと思われる中で、とてもドルに代わって円高になるような経済の状態にならないことだけははっきりしている。為替相場は各国のファンダメンタルズを中心に動くものであることを忘れてはならない。

l かたくなに金融緩和を拒み続けてきた欧州中央銀行は思い切った利下げに踏み切った。米欧の中央銀行による非伝統的な金融政策の実施は、年内に日銀の政策変更を促し、日米欧の協調的なデフレ対応策がスタートしよう●

米国はデフレ対応策として10月、非伝統的金融政策とも思われる市場の予測を上回る0.5%の利下げを実施した。続いて、年後半で景気の落ち込みが急速に進んだ欧州連合(EU)のデフレ対応策が注目された。EU統計局が発表したユーロ圏12ヵ国の7−9月期実質域内総生産(GDP)は前期比0.3%増にとどまった。成長のカギを握る個人消費と企業の設備投資の不振が深刻なようである。EUの欧州委員会は今後の成長率予測として、10−12月期の実質GDPを0. 2〜0.5%増とした。また、イラク攻撃の可能性などを想定して2003年1−3月期は0.2%減〜0.2%増、最悪の場合には再びマイナス成長に陥る可能性もあると発表した。7−9月期の成長率は4−6月期の前期比0.3%増と同水準で、前年同期比では0.8%増であった。これは年率換算では1.1%増となり、米国の4 .0%増、景気不振の日本の3.0%増と比べても成長力は見劣りすることになる。
ユーロ圏の景気は、イラク情勢や株価動向など先行き視界不良の中で低空飛行が続いており、強い成長力を回復する兆しは見えない。今年3〜5月頃は、米国、日本などの景気が回復する中でEUの経済も欧州域内での輸出入が好調なことから、欧州中銀(ECB)はデフレを心配する必要はないという強気の姿勢を示していた。しかし、米国への輸出好調を支えにした景気回復には限りがあるとIMFから指摘されていた通りに、輸出が落ち込むと同時に景気悪化が進展するという結果になってしまった。特にドイツの景気回復は米国への輸出の好調さに支えられていただけに、年央以降の輸出不振は大きなマイナスとなった。ドイツでは11月の失業者は前月に比べ9万6,000人増え、3ヵ月ぶりに400万人を超えた。11月としては5年ぶりの高水準で、失業率は前月より0.3%高い9.7%となった。失業者が今後さらに増え続けていく可能性は高いようだ。

こうした経済の落ち込みを受けて、世界的なデフレ懸念が強まる中でかたくなに「金融緩和は必要ない」と言い続けていたECBは12月5日、デフレ懸念の深刻化を避けるために、遂に1年1ヵ月ぶりに0.5%の非伝統的金融政策とも受け取れる大幅な利下げに踏み切った。今回の大幅利下げの要因は、ユーロ圏の中核的存在であるドイツ経済に上記したように元気がないことにある。設備投資の不調に加えて、個人消費も減少し続けている。ユーロ圏経済の機関車的役割を務めるはずのドイツ経済は、今では欧州の重荷となってしまっている。
ECBが今まで利下げを渋っていた原因は、景気が低迷しているにもかかわらず物価がなかなか低下しなかったことだ。ECBは基本的に物価上昇率を2%以内に抑えることを目指している。現状はまだ2%台を続けている。この上昇率にとらわれ過ぎた結果、デフレ対応策が後手に回ったとの見方が強い。また、ユーロ導入に合わせて財政赤字も国内総生産(GDP)の3%以内に抑えることになっているが、ドイツは今年ポルトガルと共に3%を上回ることが確実になってしまった。こうした欧州の景気悪化は、以前当レポートでも指摘した米国の景気に「おんぶに抱っこ」の結果と言わざるを得ない。内需主導で経済を活性化する政策をとらない限り、今後も米国経済の浮き沈みに連動する状況は続いていこう。
米国は非伝統的金融政策とも考えられる思い切った公定歩合の大幅な利下げに踏み切った。その後の欧州と日本の金融政策が注目されるところであった。ところが12月5日、ECBは市場が驚くほどの幅で利下げを実行した。今後残されたのは、日銀の金融政策の動きである。すでに日銀は、世界の中央銀行の政策に例を見ない民間銀行保有株式の買い取りという非伝統的な金融政策に踏み切った。しかしこれは、デフレスパイラル化が現実のものとなっている日本経済にとっては、まだデフレ対応策のほんの入口に過ぎない。年内に日銀もさらに突っ込んだ非伝統的なデフレ対応策を発動しなければならないであろう。

l 日銀は12月16日、17日の金融政策決定会合で、非伝統的な金融政策である外債購入などの円安リフレ策に踏み込む可能性も高まってきた●

内閣府が発表した10月の景気動向指数の速報値は、景気の先行きを示す先行指数が44.4%となり、10ヵ月ぶりに景気判断の分かれ目の50%を割り込んだ。これは消費者心理が悪化したことや、在庫調整の一巡が響いたためである。現状を示す一致指数は88.9%であったが、11月は50%を下回る可能性も高まってきた。一般的には、一致指数が3ヵ月連続で50%を下回ると景気は後退局面に入ったとされる。米国経済や株価の動向いかんでは、平成15年1月にも景気が底割れする可能性は高く、今回の景気拡大局面は戦後最短に終る可能性も出てきた。
こうした景気判断の下振れにもかかわらず、補正予算を5兆円規模に抑制する見込みなど、政府は30兆円の国債発行枠にこだわっており、また2003年度予算は緊縮財政を継続すべく頑張っている。2兆円の減税はなお攻防が続き、一方、タバコやアルコール類などの増税案が浮上するなど、税制は「減税の前に増税ありき」という明治以来の基本の貫き状態で、日増しに財政デフレ圧力が強まっている。
そうした中で日本の財務省は財政デフレ圧力を緩和すべく、カネのかからない円安誘導で景気の悪化を食い止めようとしている。塩川財務相の「円は購買力平価からみると高いと思う」という円安容認的発言に続いて、平沼経済産業相、竹中経済財政・金融相、山崎自民党幹事長などの閣僚らから円安容認発言が飛び出している。
さらに、外為市場の円安センチメントに追い打ちをかけたのが黒田財務官の英フィナンシャルタイムズへの「世界的デフレ時代への対応策」と題した寄稿文である。その主な内容は、「インフレ・ターゲッティングなど非伝統的な金融政策への日銀の一層の踏み込みと円安リフレ期待、さらには世界的なデフレ震源地と化す中国政府への人民元切り上げのプレッシャー」策などである。日本ではすでに循環的な景気回復は一巡し、政府の景気判断はデフ レスパイラル化にあることを示唆する内容となっている。米国政府は、日本の不良債権処理策が現状のような後ずれ政策的なものでなく本格的な策が実施され、それを補完するに足る財制政策が打ち出された結果による円安政策であれば、為替水準に文句はつけないと言っている。
日本の世論は財政出動による需要対策への要請を強め、財務省は苦しい立場に追い込まれつつある。景気減速リスクを承知で緊縮財政を強行すれば、先行き景気が腰折れして財務省は悪人の汚名を着せられる結果になりかねない。そこで飛び出したのが「カネのかからない円安容認」議論である。しかし、こうした財務省の円安容認論議も米国の今回の経済閣僚2名の更迭で宙に浮いた格好になってしまった。
米国の為替政策の本意が不明となったからだ。しかし、これからイラク戦が始まろうとしている時に資金が流出するような事態は絶対に避けねばならないことから、米国によるドル高の基本線は変わっていない。日本とて財政・金融政策に限界的なものがみえてきた現状では、円安はデフレ防止策としては避けて通れない為替政策である。財務省は12月16〜17日の日銀の金融政策決定会合でECBの大幅な利下げに続いて、日銀にも非伝統的金融政策として外債購入などの円安リフレ策を容認させ、その後で自らも、ある程度米国が納得する不良債権処理とそれを補完する財政政策を打ち出していこうという考えのようだ。
日銀政策委員会の審議委員の中にもデフレ克服への次の一手が円安促進効果であ
るとの考えを示す人が多くなってきた。17日の政策決定会合で、非伝統的金融政
策としての外債購入などの円安リフレーション政策発動が決定されれば、日米欧
のデフレ対応策が出揃うことになろう。米国は対イラク戦で日本の資金負担を取
り付けるのと引き換えに日本の円安誘導論を容認していこう。(終)
(東短リサーチ 特別顧問 橘田昭次 記 )

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l 株、年内は既に手じまい?――次の株価材料は1月3日との声も

【NQN】週明け9日の東京株式市場で、日経平均株価は4日続落。東証1部の売買代金は11月18日以来の4000億円台に沈み、東証株価指数も11月21日以来の25日移動平均割れとなった。覇気の感じられない相場は 今に始まったことではないが、値動きの乏しさに改めて相場に躍動感が欠如していることを認識させられた週明けとなった。
「今年の相場は既に終了した」――。11月末は決算期末を意識したヘッジファンドなどの海外投資家の買い戻しが増えたが、売り方の買い戻しが一巡した後の株式市場は惨たんたる状況だ。12月に入ってからの株式相場はじりじりと下値を切り下げ続け、売買代金も3日以降はじり貧状態。きょうに至っては「国内外機関投資家は軒並み開店休業中」(欧州系証券株式トレーダー)といい、目立った動きは皆無だったという。
先週前半は「米半導体大手インテルの収益見通しの上方修正期待で、個人投資家が半導体関連株を飛び付き買いする動きがあった」が、そうした「果敢」な行動も失望に変わる可能性が出ている。先週末6日の米国市場でインテルは売上高予想を上方修正したにもかかわらず、売り優勢の展開となり、「材料出尽くし」との見方につながったためだ。
米国ではオニール財務長官と経済担当のリンゼー大統領補佐官が辞任を表明。両氏は既に市場の信認を大きく損ねていただけに、米国市場では好感する動きが見られた。一方、東京株式市場での反応は複雑。午後に、ワシントン・ポスト紙の電子版が「オニール氏の後任がドル安政策を望む米産業界出身者に内定した」と報じると、一段と円高・ドル安に振れ、株式相場は軟調となった。イージス艦のインド洋派遣といい、「なりふり構わぬブッシュ米大統領の再選戦略」に振り回される足腰の弱い日本といった構図が浮かびあがる。
国内証券のあるエコノミストは、次に相場が変動するのはイラクへの軍事侵攻
がきっかけと見る。ポイントは新月闇夜。91年の湾岸戦争の時も攻撃開始は新月
だったが、それを踏襲するとなると、1番近い新月は2003年1月3日となる。そ
う考えると年内の相場はやはり終わってしまったということになる。(永井洋
一)

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