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いよいよ大手銀行を国有化する“竹中プラン”のタイムスケジュールが明らかになる。金融庁が週内に発表する「金融再生プログラム」の作業工程表がそれだ。工程表には、政府保有優先株の普通株への転換、公的資金の再注入、特別検査の実施、資産査定の厳格化などについて、具体的な実施時期を明記。また、不良債権処理の進捗状況や経営内容を監視する「金融問題タスクフォース」を金融庁内に新設することも盛り込んでおり、大手銀には顔面蒼白(そうはく)の内容となっている。
工程表は竹中平蔵金融・経済財政担当相=写真=の指示で策定されたもので、(1)年内に実施(2)年度内に実施(3)来年3月期決算で実施−の3項目に分類されている。
まず、年内に実施されるのが、「政府保有の優先株の普通株転換ガイドライン」の策定だ。
三菱東京フィナンシャル・グループを除く大手銀には2回に渡り公的資金が注入されており、政府は各行が発行した議決権のない優先株を保有している。優先株には、議決権のある普通株に転換できる時期が定められているが、これまでは時期がきても転換を見送ってきた。足利銀行のように、優先株への配当ができなくなると、自動的に普通株に転換されるが、この際も政府は議決権を行使していない。
ガイドラインでは「時期がきたものから順次転換し、議決権の行使も明記する」(金融当局筋)とみられている。
年度内に実施するのは、(1)タスクフォース(監視チーム)の新設(2)特別検査の再実施(3)公的資金の再注入に関する新法の検討−など。
監視チームは金融の実務経験者などで構成し、不良債権処理の進捗状況のほか、リストラへの取り組み、財務内容などをチェック。特別検査は、3月期決算での資産査定厳格化を前提に実施するもので、各行に大幅な引当金の積み増しを迫るなど、その内容を決算に反映させる。
公的資金については、現行の預金保険法では政府が「金融危機宣言」を出した場合にしか注入できない。政府は危機宣言を出さずに、危機を予防するとの観点から注入に踏み切る方針で、現行法の枠内で可能なのか、新法が必要なのかを金融審議会で検討する。
もっとも、「新法が必要と判断されても、来年の通常国会での制定は無理。竹中プランは、銀行を自己資本不足に追い込み、銀行側から再注入を申請させるというもので、これなら現行法で可能。新法の検討は単なるアリバイ作り」(大手銀幹部)との見方も。
3月期決算に実施するのは、銀行を自己資本不足に追い込む手段のオンパレード。不良債権の査定に米国流に厳格化する「ディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)方式」を導入するほか、各銀行間でバラツキのある不良債権の区分を厳しい方に統一し引当金の積み増しを迫る。さらに、決算の財務諸表に代表取締役の署名を求め、粉飾まがいや問題先送りができないようプレッシャーをかける方針だ。
「自己資本を算出する際の税効果会計ルール見直し以外は、竹中氏が金融再生プログラムに盛り込んだ内容がすべて具体化されている。真綿で首を締められるようにジワジワときいてきて、最終的には国有化に追い込まれる」(格付け機関金融アナリスト)
竹中金融相のしたたかさが次第に明らかとなりつつあるようだ。