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経営危機に陥っている英原子力発電会社ブリティッシュ・エナジー(BE)をめぐり、英政府が難しい対応を迫られている。緊急融資で延命させているが、29日がその期限。英政府は救済を検討している模様だが、破綻(はたん)させるべきだとの声も強い。
英国は90年に電力自由化に乗り出し、国営電力事業を民営化してBEなどに分割・再編。電気を売買する卸売り市場もつくった。だが、期待されたほど卸売価格が下がらなかったため、01年3月により競争的な仕組みを導入。卸売価格は1年で2割以上も下がった。
BEはこの環境変化に追いつけず、電気を売れば売るほど赤字が膨らむ状態に陥り、今夏、経営危機が表面化した。年間3億ポンド(約600億円)を超える使用済み核燃料の再処理・貯蔵費用も業績悪化の一因になった。
英政府は9月、リストラ策の作成を条件に6億5000万ポンドの緊急融資を実施した。原発の安全性にかかわるためだけでなく、BEが電力供給の約2割を占め、破綻すれば「すぐに電力価格が上昇する」(英紙オブザーバー)懸念があったからだ。
英国内では、融資期限切れを前に「国有化という救済が忍び寄ってきている」(英紙ガーディアン)との見方や政府機関による債務肩代わり案も取りざたされている。
しかし、救済措置には「(原発という)危険で高価なエネルギーはもう必要ない」(国際環境団体グリーンピース)といった批判が根強い。与党・労働党系のシンクタンク「社会主義環境資源連合」のマーク・ジョンストン氏も、朝日新聞の取材に「政府はBEを破綻させ、原発から他のエネルギーへの転換を急ぐべきだ」と説いた。 (23:32)