現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 竹中氏、不良債権処理策「私は絶対正しい」 [日本経済新聞] 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 24 日 13:51:50)
今日、与党、特に自民党は弱体化している。以前のように、幹部に亀井前政調会長のような力のある人物がいなくなり、政策に及ぼす「党」の力が著しく落ちている。したがってデフレ経済下で、さらにデフレを加速するような法案、例えば社会保障費の個人負担増などが次々成立することになる。また無謀なペイオフ解禁を行ったりで、はっきり言ってめちゃくちゃである。当然、結果はまずいことになるが、党幹部も「俺の言ってた通りじゃないか」と言うのがせいぜいである。このように自民党が弱体化している現状では、もし竹中平蔵大臣が独走した場合、一体誰がこれをチェックできるのか心配である(もっとも金融担当相就任後、たったの2週間で、力を失った印象を受けるが)。このような状況から、この竹中平蔵と言う人物を特別に取上げることは意味があると思われる。
結論から申せば、筆者は、この人物をとうてい信頼できない。まずこの人物が政治的な舞台に立ったのが、小淵政権の「経済戦略会議」からである。それまでは、学者であり、マスコミに頻繁に登場する評論家の一人に過ぎなかった。
小淵政権が行ったことは、緊縮財政で日本経済の破綻に導いた橋本政権の後始末である。平成10年度の後半は長銀や日債銀の破綻などで、日本経済は動揺していた。小淵政権は、金融の安定化の為の資金を確保し、さらに積極財政に転換した。まず平成10年度としてかなり大きな補正予算を組んだ。しかし小淵政権が明確に積極財政を行ったのは、ここまでである。
平成11年度の当初予算は、たしかに10年度の当初予算を2兆6千億円上回っていたが、10年度の予算が緊縮予算だったことを考えると、決して積極財政とは言えない。特に10年度の補正予算の規模を考えると、11年度の予算の規模では、11年度によほど大きな補正予算を組まない限り、マイナスの乗数効果も発生することもあり得たのである。本誌がずっと、「小淵政権は、たしかに前半は積極財政であったが、後半おかしくなった」と言っているのは、このような事情である。
経済戦略会議のメンバーに選ばれた頃、竹中氏はテレビ朝日系のサンデープロジェクトに出演し、小淵政権には80点の点数を付けていた。ところが翌年同じ番組に登場し、驚くことに今度は小淵政権に10点と言う点数を付けていた。たった一年しか経っていないのにどうしてこのような評価になるのか、筆者は、本当に不思議に思った。竹中氏は「積極財政はもう良いから、そろそろ緊縮財政への転換が必要」と言って小淵政権を批難していた。しかし12年度予算規模は、11年度とほとんど変わらず、とても積極財政と呼べないものであった。
たしかにこの時分は、公明党の連立参加や自由党の連立離脱を想定した動きがあり、小淵内閣の支持率が低下していた頃である。しかし経済も少し上向き、とても80点が10点になる状況ではなかった。筆者は、この時この竹中平蔵と言う人物が実に怪しい存在に思われた。信じられないくらい言動が突飛なのである。これ以来、筆者には、この人物のバックには何かがあるとずっと感じていたのである。これについては、別の機会に取上げることにする。
小淵政権の元で経済は多少上向き、株価も上昇したが、銀行の不良債権はまだかなりあり、まだまだ積極財政を続ける必要があった時期である。しかし小淵政権は積極財政から中立的な財政に移したのである。ところが竹中氏達は、「もっと緊縮的な財政にしろ」と言っていたのである。その後、森、小泉政権と緊縮財政が続き、倒産と銀行の不良債権は増え、税収は減り、株価は下落を続けているのである。
この人物のいい加減な主張は色々あるが、ペイオフ解禁をめぐる発言もその一つである。亀井前政調会長は2年間の「ペイオフ解禁」を延期したが、これに対して各方面から批難が続いた。筆者は、特に強く「ペイオフ解禁の延期」を批難していた三人の人物が印象に残っている。日経新聞の編集委員の藤井良広氏、評論家の田中直毅氏、そしてこの竹中平蔵氏である。詳しくは00/2/7(第149号)「ペイオフ延期騒動と日経新聞」を参照願いたい。この中でK大学のT教授とはもちろん慶大の竹中教授のことである。
ところがこの人物が、金融担当相を兼務するなり、「ペイオフ全面解禁」を2年先送りを決めたのである。しかし何の弁明もなかった。2年半前には、あれだけ強烈に「ペイオフ解禁」を主張していたのは何だったのであろうか。
また数年前は「IT」によって何百万人もの雇用を創出できるとさかんに言っていた。そして日本のIT化推進にとって障害になっているのがNTTとまで断言していた。NTTさえなんとかすれば、日本のIT産業は発展し、景気も良くなると言っていたのである。しかし一旦、米国でITバブルが崩壊すると、「ITバブルの崩壊と言う現象は始めてであり、今後のことは予想がつかない」と言っている。最近ではITに関した発言が全くない。ようするに竹中氏が「IT」と言っていた頃が「ITブーム」の頂点だったのである。
「IT」に関して竹中氏の問題は、その供給サイド重視の発想である。規制緩和で「IT」が伸びれば、景気がよくなり、財政による需要政策は不要であり、むしろ邪魔になると言う考え方である。しかし「IT」が伸び、パソコンや携帯電話が売れても、他の消費がその分減れば、総需要は変わらない。本誌はずっと、「IT」産業は基幹産業の一つになるが、当時のブームは「おまけ」みたいなものであると主張して来た。そしてデフレ経済の日本においては、財政による需要政策は重要と言ってきたのである。したがって筆者は、今日の銀行の不良債権問題や失業問題の深刻化は、竹中氏みたいな極めていい加減な論者達(陰に誰かいると思われるが)に、経済政策の足を引張られてきたことが大きな原因と見ている。
========================================================================
◇受験生
========================================================================
当初、この竹中氏の言う無名な学者を誰が引張って来たのか不明であるが、以前は日経新聞やテレビ東京によく登場していた。しかし政治的に注目されるようになったのは、テレビ朝日系のサンデープロジェクトに頻繁に出るようになってからと言う印象である。
不思議なことに、この番組では、竹中氏は特別の待遇を受けていると感じる。司会の田原総一郎氏は、これまで竹中氏の発言が「コロコロ」変わって来ていることに全く言及しない。それどころか毎回、まるで「先生」に教えを請う弟子のような態度である。他のパネラーも同じである。これは財部氏などが亀井前政調会長に食って掛かるのとは大違いである。
これを筆者なりに推理するとこうなる。ようするに竹中氏は、田原総一郎氏などのマスコミ人の代弁者と言う位置付けである。小淵政権に80点を付けた翌年には10点を付け、「IT」関係ではNTTの分割を主張する。また金融では、不振銀行の国有化と不振企業の退場であり、いわゆるハードランディング路線の推進である。つまりこれら全ては田原総一郎氏達の主張であり、その時々のマスコミの主張である(これらの主張がしばしば間違っている。しかし間違いとはっきり分って来ると、とたんにそれらの話題を避けるばかりで、自分達の誤りを認めようとしない。)。とにかく彼等が描いたシナリオ通りに振舞ってくれる竹中氏を批難するはずがないのである。
ようするに、端的に言えば彼等はテレビタレントなのである。そしてテレビタレントを経済財政担当相、そして金融担当相に指名した小泉首相の方がおかしいのである。ところでサンデープロジェクトの、ソフトランディング路線の前柳沢金融担当相への攻撃はすごかった。しかし筆者には、田原氏がどう言う意図で、このようなハードランディング路線を支持しているのか不明である。
もっとも竹中氏にはもっと複雑な要素がありそうである。つまりこの人物の背景には、田原総一郎氏などのマスコミ人以外の人々の陰を感じるのである。しかし世間の人々もそんなにばかではない。閣僚となったため、これ以上竹中氏も発言を「コロコロ」変えることはできなくなっている。バックに誰がいようとも、新たに金融担当相となってしまった以上、本人が窮地に立っているのは事実である。たとえば就任当初の株価の下落を見ていると、とてもハードランディング路線を貫くことは無理である。
話は変わるが、田原総一郎氏の周りには、実に奇妙なタレントが多い。金融問題の竹中チームに入った木村剛氏もその一人である。この人物は、本誌でも前に取上げたことがある。銀行の不良債権処理に関して、ハードランディング路線の最右翼の人物である。元日銀マンで、旧大蔵に対する屈折した思いが強いのか、金融庁と銀行の幹部に対しては異常な攻撃性を示す。だいたい「問題の先送り」とわめいているが、小泉政権の元では、「先送り」はやむを得ないであろう。この辺についてはまた別の機会に述べる。とにかく最近、「経済も落ちるところまで落ちれば、次は浮き上がる」と言う無責任な言動が横行している。しかし一旦大きく落ちれば、どこまでも落ちると言うのが歴史の教訓である。
木村氏と田原氏の対談集「退場宣告」を本屋で立読みしたが、内容は前に読んだものとあまり違いはない。ただ一つ、重要な点を指摘しておきたい。それは韓国の経済危機に関するものである。木村氏は、韓国が経済危機を克服したのは、国が銀行に資本を強制的に注入し、不良債権を整理したからと断言している。しかし銀行に資本を投入したことは事実であるが、先週号で述べたように、韓国政府は、積極財政、金融緩和、そしてウォン安政策を同時に行っている。さらにどうも借手の企業にも資金を投入しているようである。しかし木村氏の著書にはこれらのことが一切触れられていない。
つまり木村氏は、韓国政府が銀行に資本を注入して、韓国経済が蘇ったようなことを言っているが、実状は全く違うのである。強力なケインズ政策を同時に行っているのである。もし木村氏がこのような実状を知らなかったと言うのなら、彼は金融や経済を語る資格はない。またもしこのような事実を知っていながら、わざと言及しないなら、単なる「大嘘つき」である。もっとも彼は、同著の別のところで、強くケインズ政策を否定しているおり、とても韓国政府が行った本当の政策を正確に言うわけには行かなかったと思われる。
世の中には、木村氏のようなタイプ、つまり極論をセールスポイントにしているが、実態のない論者がいっぱいる(いずれも実態はないが、不思議と立派な肩書きだけはある)。しかし田原総一郎氏のような人物の手によって、彼等は有名タレントとして仕立てられていくのである。そう言えば、田原氏の周りには、この他に田中長野県知事や民主党の若手(ほとんどが松下政経塾の出身者)や自民党の若手二世議員のような同じ種類の人々がいる。
そして竹中氏、木村氏、田中氏、そして民主党や自民党の若手を並べると不思議と共通点が見えてくる。一つは彼等が異常な「マニュアル(教科書とか受験参考書)の信奉者」と言うことであり、もう一つは「何の実績もないがどう言うわけか要職(大臣、県知事そして国会議員)に就いている」ことである。そして筆者には、特に竹中、木村、田中の三氏と民主党の若手は、唐突に思われるかもしれないが、どうしても「受験生」の印象がある。彼等は、いまだに受験勉強の「トラウマ」を引きずっていると思われて仕方が無いのである。つまり知事や国会議員、そして党の役職などの要職につくこと自体が究極の目標であり(偏差値のより高い学校の入学試験に合格することと同じ)、「一般の国民や県民がどうなるか」と言うことには興味がないのである。これについては、また別の機会に触れたい。
小淵政権が取りかかった積極財政によるデフレ対策を、腰砕けにした犯人こそが、まさに竹中氏達が属しているグループである。これによって、地価の下落は止まらなくなり、株価も下落し、不良債権の処理も困難になった。そもそも不良債権を急ぐことによって、企業は、保有土地の売却を進め、地価の下落に拍車をかけることになった。さらに危機管理状況の日本で、急ぐ必要のない時価会計の導入にすることによって、資産の売り急ぎが起って、土地や株などの資産価格はさらに下落することになった。一連の政策で一体誰が一番喜んでいるのかが問題である。
経済コラムマガジン◆竹中平蔵大臣の研究
http://www.japanweb.ne.jp/fortune/aqua_data/back/2002/eco271.htm
竹中平蔵氏は学生を相手に授業をしているのが一番の似合いである。経済コラムマガジンでも指摘しているとおり、学生が「書生論」を戦わしているうちはいいが、その大学教授と学生が国を動かすことになったら大変なことになる。
小泉純一郎と竹中平蔵と田原総一朗の「三人組」が、テレビをフルに使って世論を煽って日本経済を破壊しようとしている。彼らには常に対抗する悪役がおり、彼らをスーパースターとして持ち上げて、悪役を叩けば日本は良くなると、演出して見せる。小泉首相も抵抗勢力を悪役に仕立て上げ、竹中大臣も銀行を悪役にして、国民の喝采を浴びようとした。田原総一郎の演出によるものだろう。
このような劇場型ワイドショー政治は、複雑な政治経済を単純なテレビ時代劇の「水戸黄門」に仕立て上げて、国民を煽っているのだ。だから小泉純一郎はワイドショー政治が大好きなのだ。同じテレビの「たけしのTVタックル」は、劇場型政治を逆手にとってからかっている。小泉首相は国会をお笑い番組レベルまで引き下げてしまった。野中広務や亀井静香などは悪役の名脇役だ。
しかし実際の政治経済はそんな単純ではないし、パソコンのように失敗したからといって直ぐにリセット出来るものでもない。小泉首相も国民の大きな期待を集めて登場したが、首相権限を集めて政策を実行しようとしても、現実の政治経済は何も動かない。それが分かったせいか、最近は政治を丸投げしている。権力を限りなく分散して、竹中大臣に日本経済を任せてしまった。
その竹中大臣も過激な経済テロリストである木村剛に政策を丸投げし、一瞬日本全国がパニック状態になってしまった。アメリカ政府の高官もエールを送り、英米の新聞などもハードランディングの大合唱だ。これで日本のメガバンクも国営化されて、新生銀行のように格安でアメリカのハゲタカファンドに売り渡される。リップルウッドは10億円で新生銀行を買いましたが、再上場すれば数兆円の資産となる。
小泉・竹中・木村・田原のラインはアメリカの国際金融資本と話が付いているのだろう。だから日本がこのような状況になっても誰も責任を問われず首相も大臣も誰も辞めない。国民もそれを黙って見ているだけだ。本来ならば日本がこのようになれば辞任要求が出てきておかしくはない。もちろん竹中大臣も辞める気配はない。国民はみんな洗脳されて思考能力を失ってしまったのだろう。
慶應大学のバカ学生は「竹中大臣をはじめ小泉政権を愛しています」と発言している。まるでオーム真理教の信者たちのようだ。そういえば田原総一郎の番組に出ているレギュラーたちがみんなオームの信者たちのように見えてくる。なんとなくみんな目つきがおかしいのだ。小泉首相も田原総一郎も木村剛もみんな目が釣りあがっている。たぶん「彼ら」に脅迫されているのだ。