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【ジュネーブ=清水真人】米政府は22日までに、農産物輸出を促進する公的な融資や信用保証に一定の規制をかける初の提案を世界貿易機関(WTO)に提出した。米国自身が多用し、新多角的通商交渉(新ラウンド)農業交渉で日本、欧州連合(EU)、途上国から強い批判を受けているため、交渉促進に向け議論の土俵に乗る姿勢を示した。
これらの制度は「輸出信用」と呼ばれ、輸出国の政府系金融機関などが輸出業者や貿易相手国の輸入業者に融資、信用保証、貿易保険の引き受けなどをして農産物輸出を促進する。条件次第で輸出補助金に似た性格を帯び、貿易をゆがめる恐れがある。米国はEUに56億ドルに上る輸出補助金の全廃を求めているが、自国の輸出信用は約40億ドルに上る。
米国は先のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも輸出補助金の撤廃を主張したが、日本は「輸出信用も補助金のようなもの」と強く指摘した。 (21:00)