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産業再生機構、必要資金は100兆円! 国民1人当たり80万円の血税、とうてい投入できず [株ZAKZAK]
投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 22 日 17:19:55:


 企業の生死を判定する『閻魔(えんま)大王』こと産業再生機構について22日、政府中枢の衝撃的な試算が明らかになった。オリコや熊谷組、ダイエー、大京など『51社リスト』企業の債権買い取りに本当に必要な資金は、世上言われる額の10倍の「100兆円」だというのだ。国民1人当たり約80万円もの血税を私企業の救済に投じるのは到底、無理な話。形だけ企業を救っても市場も評価しない。不良債権は塩漬けされ、メガバンクの『国有化危機』が続き、結局、再生機構が頓挫するのは必至の情勢だ。

 過剰債務を抱える問題企業が集中する不良債権のグレーゾーンである「要管理先債権」を銀行から買い取ろうというのが産業再生機構である。

 設置期間は3年間で、再建可能と判断した債権は買い取り、不可能と判断するとRCC(整理回収機構)送りとなる。

 官民出資だが、政治家や役人のサジ加減一つで企業の命運が決まる。

 政治主導か民間主導か? 企業献金の実績とも絡み、「情実判定」が出る恐れが十分ある。

 すでに自民党内からは、「不況3業種のゼネコンを重点的に買い取るべき」との声も上がる。

 野口旭専修大教授は「市場に任せるべき産業再生に、国が社会主義的に介入するスジの悪い政策」として批判する。

 「政治家の意図や官僚の既得権益拡大の思惑で恣意(しい)的に企業が選別される。『構造改革』『市場重視』のスローガンは一体、何だったのか」

 行司役の谷垣禎一産業再生担当相が「安易な延命はしない」と語る一方で、買い取り対象を「破綻(はたん)懸念先」にまで拡大する案も出るなど、早くも混乱ぶりが目立つ。

 生死判定の基準は年内にまとめられる予定。「再建計画終了時に、有利子負債が(企業の金の出入りである)年間キャッシュフローの10倍以内」などの案が浮上する。

 だが、経済産業省の村田成二事務次官は「流通業界の基準作りはほとんど不可能。委員会で基準を作って決めればいい−というほど簡単な問題ではない」と明言する。

 独立総合研究所の青山繁晴氏は、再生機構構想について「以前から財務省の武藤敏郎事務次官の『武藤プラン』として温められ、実際に携わるのは財務省大臣官房参事官から産業再生機構設立準備室次長になった小手川大助氏」と解説する。

 当の財務省や経産省など関係省庁はいい加減で、責任を取りたくない一方で、「所管する企業の再生は自分でやりたい」とさや当てが続く。

 谷垣氏の就任理由についても「所管官庁を持たず、党内基盤が弱いのでお鉢が回ってきた」(永田町関係者)というから無責任きわまりない。

 産業再生委員会の委員に日本経団連名誉会長の今井敬氏らの名前が挙がるが、「(行革臨調の会長を務めた)故土光敏夫氏のような人材が見当たらない」(青山氏)。

 再生機構社長として有力視される日立造船相談役の藤井義弘氏。昭和63年、三和(現UFJ)銀行副会長から日立造船に乗り込み、再建させたが、同社の株価は現在20円台と再生の困難さが皮肉にも浮き彫り。

 買い取り価格は、債権の元本から引当金を差し引いた「実質簿価」が有力になってきている。

 前出の野口教授は「これまでと全く逆の『銀行救済政策』。不良債権処理をしなかった銀行が得をする。国民負担が目に見える。BSE(狂牛病)問題で国が国産牛肉を買い取ったときと同様に、モラルハザードが起こる」と手厳しい。

 UBSウォーバーグ証券チーフエコノミストの白川浩道氏も「高い価格で買い取れば、二次損失の発生と納税者負担が生じる点ではRCCと全く同じ」と指摘する。

 買い取り後の損失(ロス)は、再生機構とメーンバンクで分担する方針だが、国民負担が生じることに変わりはない。

 当初予定の4月発足が危ぶまれ、7月説も流れる再生機構だが、始動後も前途多難である。

 監査法人による「倒産要注意」の特記事項をまとめた『105社リスト』や『51社リスト』企業の多くが審判を受けそうだが、その買い取り資金に重大な疑念が残る。

 資金調達には政府保証がつけられ、政府系金融機関の日本政策投資銀行などが出資する。

 現在は「十兆円程度」との見方だが、前出の青山氏は言下に否定。「ある政府高官は『産業再生機構を本当に動かしたら、百兆円かかる』と即答した」というのだ。

 外資系証券会社などは不良債権の本当の額は100兆円とも200兆円とも指摘してきたが、実は政府も同様の認識を持っているとは衝撃的である。

 青山氏はこうも続ける。「資金の裏付けはどこにもない。結局、再生機構がどう動くのか、誰も分かっていない」

 「国債30兆円枠」はホゴになったとはいえ、小泉純一郎首相は財務省の意向で財政再建路線を崩していない。

 やっと補正予算の規模が約6兆円に決まったが、100兆円などケタ違いの資金が投入できるわけもない。

 そこで、再生機構はシンボル的な企業や政治家の息のかかる企業をいくつか再生させ、後は開店休業状態になりそう。

 再生の手法も、債権放棄やスポンサー探しなど代わり映えせず、お得意の案件先送りが続く。

 前出の白川氏は「問題企業の多くを政府が丸抱えし、かなりの確率で延命させる」と予測したうえで、「再生機構は構造改革先送りのシンボルとなる」と断じる。

 それでも、市場の信頼失墜で窮地に立つメガバンクには救世主になりそうもない。

 再生機構が買い取るのは、メーンバンク以外の債権。「メーンと再生機構で迅速に再建を進める」のが理由である。

 強引な貸し剥(は)がしで批判集中の新生銀行など、準メーンが多い銀行は高値で債権を買い取ってもらえてホクホクだが、メガバンクが背負う重荷は変わらない。

 ダイエーや大京など過剰債務企業を抱えるUFJ銀。熊谷組など過剰債務ゼネコンを多数抱える三井住友銀。みずほが抱えるオリエント・コーポレーションやハザマ…。

 多くの大口債務企業を抱え、危険水域にあるメガバンクの“爆弾の導火線”が少し延びるだけとなりそうだ。

 「やっと補正予算を組むが、デフレを放置して、ポロポロと落ちてくる企業をどうこうするなど全くの的外れ。国は財政や金融のマクロ政策で需要全体を増やすことに尽力すべき」(野口氏)

 青山氏は「まずは経済のことを分かっていない小泉首相が勉強して、来年度予算編成の前に首相自らが金融・経済に関する会見を開き、国民に直接説明すべきだ。国民の気持ちが前に向かないと、閉塞(へいそく)感が続いて、景気も経済もよくならない」と檄(げき)を飛ばす。

 小泉首相からハードランディング路線の学者大臣、竹中平蔵氏への無責任な丸投げが続くようでは、日本経済の危機はさらに長期化しそうだ。


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