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(回答先: アメリカは0.8%マイナス金利>あっしらさんへ 投稿者 楽観派 日時 2002 年 11 月 22 日 12:59:00)
楽観派さん、こんにちわ。
エコノミストの「インタレストレート」は、公定歩合もしくはFFレートと物価変動(GDPデフレタ)で名目と実質を出したものと思われます。
>実質金利がマイナスなら個人消費が増えそうですが、こちらはむしろ落ちている模様。
>この先の展開はいかがお考えでしょう。
まず、マイナス金利と言っても銀行間の話で、銀行から企業・家計・政府への貸し出し金利ではありません。
提示されているグラフからGDPデフレタを推測すると、2.05%になります。
企業・家計・政府への短期貸し出し金利が2.05%を下回っていない限り、借り手としてはマイナス金利ではありません。
[経済主体別金利意識]
● 企業
おかしな説明になりますが、企業は、“マイナス金利”でなければ前向きな借り入れは行いません。
ここでいう“マイナス金利”とは、借り入れした資金を使って事業を行った結果、金利を支払っても利益が手元に残るというものです。
(“プラス金利”は、借入金利を自分の懐から持ち出して支払うことだとお考えください)
この見通しがない限り、借金をすることはムダになります。
銀行側も、企業経営の見通しが“マイナス金利”を実現するものでなければ、危ないと判断して貸し出しに躊躇するはずです。
現在の米国経済に確かな“マイナス金利”を予測させる要因はないので、貸し出し意欲・借り入れ意欲とも低下しています。
(現在そのような対象になっている分野は、住宅関連だけです)
● 家計
米国の場合、住宅ローンは、需給とリスクで変動するもので、FFレートの変動に連動するものではありません。
クレジットカードローンは、日本もそうですが、公定歩合やFFレートとは無関係に設定されています。
家計の借り入れを大きく規定する条件は、所得と資産価格です。
実質金利の見通しはあまり意識されることはなく、名目金利をベースに、借り入れの返済を行う原資である所得の見通しがどうなのか、借り入れ担保となり借り入れの最後の返済手段となる資産(住宅が基本)の価格がどうなるかが借り入れを行うかどうかの決め手になります。
人員整理が続き株価が低迷している現状では、借り入れ意欲も減退しますし、銀行なども貸し出しに慎重になります。
家計向け貸し出しは、不動産を担保にしたものに絞られつつあり、それも住宅価格変動が下降に転じれば縮小することになります。(不良債権も発生します)
● 政府
連邦政府は、歳出と歳入の関係で足りないものは借りるという姿勢です。
実質金利がマイナスだから借り入れを増やすというものではありませんが、財政は楽になります。
しかし、それ以上に、歳入の減少になる不況が及ぼす財政苦のほうが痛手になります。
>もう1つ、オーストラリアの名目と実質の金利差が大きいのですがオーストラリアが
>それだけインフレになる理由とは?
オーストラリアは、4.8%ほどの公定歩合ですから、比較的高金利だと言えます。
自説として唱えているように、高金利は貨幣流通量が拡大する限り物価高になり、低金利は不況下である限り物価安になります。
オーストラリアの現状は、高金利で貨幣流通量が拡大しているので高いインフレ(3%強)になっていると推測できます。