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「やはり産業再生機構構想は、財務省の発案だったのか…。しかも設立準備室次長に就任した小手川大助氏自身が当初からこの構想作りにタッチしていたとは、少々驚きだ。そうした一連のことを前提とすると、産業再生機構を巡る議論の行方、落としどころがおのずとハッキリしてくるのではないか…」
自民党派閥領袖クラスの代議士がこう言ってみせる。
昨日(11月20日)午前、経営不振企業の受け皿となる産業再生機構について討議することを目的に自民党内に設立されたワーキングチーム、「産業再生に関するプロジェクトチーム(久間章生座長)」が、第1回の会合を開いた。
この第1回目の会合では、政府側から、「銀行の不良債権の買い取りについては、その買い取り期間を2年程度で集中的に行う−」という方針が示されたのである。それではなぜ、「買い取り期間は2年程度−」という“方針”が示されたのかというと、小泉純一郎首相が打ち出した「2004年度中に不良債権処理問題を終結させる−」という政策目標に対応させるためだ。
「さらに政府サイドは−とはいっても実質的には“設立準備室”の仕切りですが−、債務超過企業に代表される『破綻懸念先企業』の債権についても、産業再生機構で買い取る方向で検討したい、という方針を打ち出してきたのです。自民党サイドもこうした政府方針には対しては、非常に前向きに受け止めているのが実情です。こうした状況から考えて、一連の不良債権処理問題を巡る議論については、今後産業再生機構ペースで進んでいくと見て間違いないでしょう」(自民党代議士)
つまりこの問題に関する竹中平蔵経財・金融相の影響力は、大きく低下しているのが実情だ、もっとハッキリ言えば、この不良債権処理問題に関する“竹中はずし”の動きは、着々と進行していると言っていいだろう。
「それこそ財務省の狙い通りに、コトは進んでいる」(財務省幹部)
そしてこう続ける。
「そもそもこの産業再生機構構想自体が、武藤敏郎財務省次官の意を受けた小手川大助氏の発案だったのです。もっとも“発案”という言い方は適当ではないかもしれない。それというのもこの構想は、99年4月に旧経団連が内々に策定したプランをベースにしたものだからだ−」(前出の財務省幹部)
去る99年4月、旧経団連は産業・企業再生を目的とした試案を内々に作成したという。もっとも、この“試案”が日の目を見ることはなかったが…。
「その“試案”には、産業再生機構という文言が間違いなく盛り込まれていました。しかし結局、その“試案”はお蔵入りになってしまいましたが…。お蔵入りになってしまった最大の理由は、『第3者が、企業の生死を判定することは難しい、あるいは不可能だ−』ということに他なりません−」(経団連関係者)
不良債権処理問題が浮上しつつあった今年夏、小手川氏(当時、官房参事官兼政策評価官)がひそかに経団連を訪れ、このお蔵入りになった“素案”を入手したという。
「そしてこの“素案”をベースに、財務省大臣官房内で“産業再生機構構想”が練られていったのです」(財務省幹部)
こうした一連の状況から考えると、この産業再生機構を巡る議論については、財務省−特に武藤次官の動向には要注目といえるだろう。
2002/11/21