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UFJ・寺西頭取
竹中平蔵金融・経済財政担当相のハードランディング路線で窮地に追い込まれたメガバンク。『銀行国有化』危機を乗り切るため、UFJグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行は数千億円規模の増資を模索するが、取引先企業の難色も予想され、国際ルールの「自己資本比率8%確保」のハードルは一段と高く、暗雲が立ち込めている。
「タイミングをみて資本調達のチャンスをとらえたい。1000億円規模は十分可能だ」
UFJ銀行の寺西正司頭取は、増資についてこう強調した。
みずほ・前田頭取
確か15日の参院の参考人質疑で、寺西頭取は「十分な自己資本比率を確保しており、さらなる公的資金の必要はない」と発言したはずだが、もう格好はつけていられないということか。
竹中プランで各銀行は不良債権処理加速のため、貸出債権の査定を厳格化、貸し倒れ引当金の積み増しを求められる。
自己資本に組み入れている税効果会計の厳しい見直しも、大手銀の必死の抵抗で導入時期は決まらなかった。
三井住友・西川頭取
だが、「ある程度厳しく算定しないと、市場から見放される」(金融担当アナリスト)ため、公的資本の再注入・国有化の危機は大きくなるばかり。最近のメガバンク株暴落もこうしたシナリオを先取りしたものだ。
健全性の『デッドライン』である自己資本比率8%割れを防ぐには、各行とも自助努力としては増資に頼るしかない。
増資1000億円で自己資本比率を0.1−0.2%押し上げるとの試算もあるだけに、UFJが最大で5000億円規模、みずほも否定しているが最大8000億円規模、三井住友銀も数千億円との説が流れている。
もっとも、銀行の思惑通りに増資がうまくいくかどうかは極めて不透明だ。資金調達の方法は、議決権が生じない優先出資証券の発行が中心となるとみられるが、市場の信頼が地に堕ち、市場での調達は不可能。取引先企業に頼むしかない。
だが、当の銀行は、取引先と持ち合う株の解消売りを進めている。企業側も保有する主力取引銀行の株価急落で、企業の時価会計決算に大きな評価損が発生している。
UFJが昨年度以来、3300億円。みずほも今年に入って4600億円の増資を取引先中心に行っている。
これ以上の増資引き受けには、「ムシが良すぎる話。無理に応じたら、こちらが株主総会で追及される」(大手企業)と冷淡な声も聞こえる。
UFJは大株主の『世界のトヨタ』などに増資要請したとされるが、株式市場では「願望交じりのアドバルーンに過ぎない」と、ほとんど評価されていない。
借り入れが多く銀行への依存度の高い企業に対し、貸し渋りや貸し剥(は)がしと引き換えに増資引き受けを迫ることも考えられるが、金融再生プログラムではこれも、「実質的な迂回(うかい)融資になっていないかチェックする」とすでにお見通し。
何とか増資にこぎつけても、今度は配当の負担が大きくなる。抜本的な経営改革を打ち出せない限り、八方塞がりの状態が続きそうだ。