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中国株、大型上場観測で下落――外貨金利引き下げ効果は限定的
【NQN香港=鍋井弘士】20日の中国市場では外貨建てB株指数が反落し、年初来安値を更新した。政府高官発言をきっかけに、大型上場観測が広がったことが背景だ。
中国人民銀行(中央銀行)は19日、同日から米ドルなど外貨預金の金利を引き下げると発表した。中国では中央銀行が市中銀行の預金金利を決めており、預金金利引き下げは実質的な利下げとなる。中国の個人が預金していた外貨を株式市場に振り向けるとの観測が広がり、B株指数は19日、2.1%高となった。ただ、20日のB株指数は朝方から下げ幅を広げ、14日に付けた安値(122.919)をあっさり下回った。
中国人民銀行は今回の外貨預金金利引き下げを「米利下げに対応した」と説明。市場の一部には「今後は各行が独自に預金金利を設定できる規制緩和を発表する」との観測が出ていただけに、金融市場改革に後ろ向きと受け取る市場関係者もいた。
「中国市場は徐々に大型企業に上場の機会を提供する」。20日の中国株相場が下落した最大の要因は、中国証券監督管理委員会の周小川会長が19日に語ったこの発言だ。周会長は、「中国の上場会社は経営規模が小さいために経営問題を抱える企業が多く、結果的に株価の動きが激しくなっている」と指摘。経営の安定した大型企業の上場で中国市場の時価総額を増やし、株式相場を安定させたい狙いがある。
11月に14億3000万米ドルを調達した中国固定電話の中国電信はニューヨーク・香港市場に同時上場し、中国市場には上場していない。公開価格から算出した今期の予想株価収益率(PER)は7.1倍で、中国の人民元建てA株市場に上場した銘柄の平均的なPER(約20倍)を下回る。
個人投資家の売買が多い中国市場は海外市場に比べ株価が割高で、その分、企業側は有利な資金調達が可能だ。
20日付の香港紙は「中国の個人投資家に海外株投資を認めるQDIIは当面実現しない」との中国証券監督管理委員会の元会長発言を報じた。預金金利引き下げや一連の幹部発言には、潤沢な個人資金を国外に流出させず、中国株市場に取り込みたいとの意図がうかがえる。ただ実際の相場は、株式需給悪化を先読みして下げ足を速めている。