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政府税制調査会(首相の諮問機関、会長・石弘光一橋大学長)は19日、「2003年度税制改革の答申」をまとめ、小泉首相に提出した。答申は、デフレ不況の長期化を踏まえ、首相が表明した全体としての「1兆円超の減税先行」を容認した。
先行減税の柱には、研究開発にかかった費用総額の一定割合を法人税額から控除する研究開発減税の創設や、IT(情報技術)投資を促す優遇税制を打ち出したほか、生前贈与の円滑化、土地流通課税の軽減、株式配当課税の簡素化・軽減などを盛り込んだ。一方、先行減税分を増税で埋め合わせるため、多年度で税収中立を図り、増減税措置を一括法で処理すべきだと明記し、配偶者特別控除などの所得控除の廃止・縮減、法人事業税への外形標準課税の導入など、「広く薄い」負担増を求めた。
政府税調の答申を踏まえて、来年度税制改正の論議は、来週から本格化する自民党税制調査会など与党の審議に移る。増減税の規模や税率、実施時期などを詰めたうえ、12月中旬に税制改正大綱がまとめられる。
政府税調は、抜本的な税制改革の検討を首相から指示され、中長期的な視点で「あるべき税制」の審議を1月から進めてきた。このため、答申時期は例年より1か月早くなった。
石税調会長は答申後、記者会見し、先行減税容認はやむを得ないとの見解を示したうえで、「景気情勢により税制改革の選択の幅が狭められた」と述べ、デフレ不況の影響で十分な改革の道筋が描き切れなかったとの思いをにじませた。
答申によると、個別項目では、企業の国際競争力を高めるため、研究開発支出の一定割合を法人税額から控除する新たな減税制度の創設を盛り込み、IT(情報技術)関連投資を促す優遇税制も打ち出した。法人税率の引き下げは否定した。
また、贈与税と相続税を一体化し、贈与税負担を軽減する新制度の導入を記した。高齢者の資産を若年層に移し、消費を促す。相続税の最高税率(70%)も引き下げる方向性を明記した。資産デフレ対策では、登録免許税や不動産取得税の軽減、株式配当課税の軽減・簡素化などを示した。
増税項目では、専業主婦に配慮した配偶者特別控除の廃止を求め、特定扶養控除も廃止・縮減の対象にした。消費税は、年間売上高3000万円以下の事業者の納税が免除されている制度を大幅に縮小し、売上高2億円以下の事業者に認められている簡易課税制度も原則廃止とした。
(11月19日22:55)
★ デフレ不況の緩和もしくは解消に貢献する税制変更ではない。相続税の心配をしなければならない家庭は圧倒的な少数派である。
研究開発費でプラス要因、配偶者特別控除でマイナス要因。
実質増税になる家計のほうが断然多いのだから、デフレ不況がさらに悪化することになる政策である。
配当課税を軽減しても、配当が出せる企業が少ないんじゃあ、株式を購入しようという人は増えないだろう。
実効性に乏しいどころか、さらにデフレ不況を深化させる愚かな税制変更案である。