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「経営のシナリオをしっかり示していただきたい」。竹中金融相は19日の閣議後の記者会見で、株価が最安値を更新中の大手銀行に対し、こう注文をつけた。大手行の国有化や自己資本の脆弱(ぜいじゃく)性を指摘した竹中氏の「金融再生プログラム」が銀行の株価不安を招いたとの見方について、「プログラムを実行すれば日本の金融システムは間違いなく強くなる」と否定した。
竹中金融相は銀行の国有化に踏み切ったスウェーデンの例を挙げ、「銀行に対する政策をとって1年間は株は下がり続けたが、その後反転して4倍になった。政策の浸透と株価の方向感にはタイムラグがあるもの」と強調した。
スウェーデンの例に関しては、「中期的に株安が続くという認識なのか」との問いに対し、竹中金融相は「そこが読めたら株式市場で大きな利益を得られる」とジョークでかわしながら、「一刻も早く脱するにはマクロ的なデフレ対策や先行減税などが必要になる」と述べるにとどまった。
銀行経営については「現状で健全性について問題があると思わない」との認識を示す一方、「一生懸命、不良債権は処理していただく。プログラムの具体化に応じ、銀行が収益力を上げる道筋を示す中で、(株価全体にも)ダイナミックな動きが出てくる」とあくまでも厳しさを求めていく考えを明らかにした。
(23:00)