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大手も法軽視の実情露呈 大和証券SMBC疑惑
大和証券グループで法人向け営業を担当する大和証券SMBC(本社・東京)で発覚したインサイダー取引疑惑は、証券2位の大手企業であっても、法令順守が徹底されていない業界の実情を浮き彫りにした。株式相場の低迷で投資家の株離れが進む中、自らの不正取引で証券会社に対する信用を傷つけたことで支払う代償は大きい。
大和証券SMBCの清田瞭(あきら)社長は16日夕、東京証券取引所で記者会見し、「あってはならない恥ずかしい行為で、社会、市場にご迷惑をかけた」と謝罪した。疑惑が持たれ、証券取引等監視委員会の事情聴取を受けた元事業法人部長が、業務上知った株式公開買い付け(TOB)の情報を悪用して、値上がりの確実な株式を個人的な金銭欲で売買し、約350万円の不当利益を得たことを認めた。
企業再編や事業の再構築などの手法として定着してきたTOBは株の買い取り価格が公表されるため、現状の株価が公表価格を下回っていた場合は、株価の上昇がほぼ確実に期待できる。このため、TOBに関連したインサイダー取引容疑で証券取引等監視委員会に告発された事件は6、7月にも相次いでおり、今後も増加が懸念される。
元部長は、企業合併・買収(M&A)などを担当。守秘義務と厳格な倫理観が求められる立場だった。同社も、役員や幹部社員から誓約書を取るなどして法令順守の徹底につとめていたが、完全に裏切られたことになる。
相場の低迷を前に、まずは個人投資家が安心して株式売買ができるよう、東京証券取引所や日本証券業協会は売買の審査体制を強化したり、証券会社の内部管理の充実を呼びかけたりしている。しかし、現実には違反事例があとを絶たず、東証が過怠金を取った証券会社は今年度すでに6社にのぼった。大手の大和グループで不正が発覚したことで、投資家らが証券界に注ぐ視線はさらに厳しさを増し、市場離れを加速させるおそれがある。
http://www.asahi.com/business/news/K2002111601563.html