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12/23 08:01 マウス体内でヒトの腎臓 移植の前駆細胞が成長 外信18
【ワシントン22日共同】将来、腎臓に成長するヒトや豚の細胞
をマウスに移植、マウスの体内でほぼ正常な機能を持った腎臓にま
で成長させる実験にイスラエルのワイズマン研究所などのグループ
が成功、二十二日、米医学誌ネイチャーメディシンの電子版に発表
した。
細胞から臓器を再生し、移植用の臓器不足の解消に道を開く成果
で、グループによると早ければ数年後の臨床応用も可能という。
グループは人工妊娠中絶された七―十四週のヒトの胎児から、将
来腎臓に成長する「腎臓前駆細胞」という細胞を取り出し、免疫反
応を抑えたマウスの腎臓周辺に移植。豚でも同様の実験を試みた。
移植された細胞はマウスの体内で成長。約八週間後には、大きさ
はマウスの腎臓に近いが、形はヒトや豚の腎臓に似て、尿をつくる
機能なども正常な腎臓に近いレベルの組織ができた。
ヒトの場合は受精後七、八週間、豚は同四週間後の前駆細胞が、
最も腎臓に成長する確率が高い上、この時期にはまだ、免疫反応の
原因となる細胞が形成されていないため、移植時の拒絶反応が起き
にくいことも分かった。
研究グループは「豚の細胞からつくられた腎臓であっても、ヒト
へ移植した時の拒絶反応は少ないとみられ、移植臓器不足の解消に
つながる可能性がある」としている。
(了) 021223 0801
[2002-12-23-08:01]