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「閉じた寄生世界」とはどのような世界なのか
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/978.html
投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 3 月 11 日 22:45:54:

 あっしらさん。 また素晴らしいレスありがとうございます。
 あっしらさんにレスすると、議論が収束しないでどんどん広がりますね。
 私のような理系(いちおう)人間には驚異です。

 (前のを読んでない方へ: 前提論考は以下のとおり。)
 (「近代」日本と今後の世界:国際金融家(寄生者)には読んで欲しくないが、知ってることだからいいだろう)
 http://asyura.com/2003/dispute8/msg/901.html
 (「寄生性」&「知的謀略」が国際金融家や国際商人の“危険因子” − トヨタなど日本の国際商人(輸出優良企業)も“危険因子”を持ちつつある)
http://asyura.com/2003/dispute8/msg/737.html

  (閉じた寄生世界とはどんな世界か)
  最も興味深い「日本」問題は、後に回したいと思います。
  私は、「歴史は後ろから見るとよく分かる」と考えます。
  そこで、寄生者が勝利した「閉じた世界」の原理についてお伺いしたいと思います。 本当はかなり考えていらっしゃるんでしょう。

    [閉じた世界で寄生を実現するためのツール]
     
(閉じた世界から富を吸い上げる唯一の方法は、多数派からじりじり富を吸い上げ続けることです。 しかし、それは、「寄生者にとって難問」ではなく、寄生者本来の姿であり、寄生者が真骨頂を発揮するシチュエーションです。)
   (「公共財の私有化」と「生活の全面的金融化」を指摘しましたが、最大の吸い上げ法は、「国債」と「産業支配」です。)

   基本的に寄生者の立場に立って検討します。
   近未来の世界を前提として考えれば、完全なボーダーレス世界も考えにくく、国家は国民統制手段として残るでしょう。
   国債発行には税制の担保が必要ですが、この担保は消費税となるでしょう。  累増する国債から富を吸い上げるためには、消費税が必要です。  それは生活税、人頭税的な側面を有しており、かつ経済状況に合わせて税率を操作できるからです。  社会保障のような「目的税」では使途が限定されて(寄生者にとって)使いにくくなります(この意味で「奥田ビジョン」に危険性を感じています。 ちょっと脱線。  これは絶対後で出てきますね)。

   国債の使途は、寄生者の利潤を最大化できるように操作できるでしょう。  イラク戦後の復興事業を関係者が受注するそうですね(ご褒美)。  社会保障では使途操作に限界があります。
   
   「産業支配」は、ようするに「利息」のことと理解しております。 違いますか?
   例えばメガバンクがみな買収されると、利息が上がります。 払えない会社は貸し金引き上げで倒産します。  高い払う会社では、社員の給与が低下します。  今の水準から見て「タダ働き」の時間が長くなります。  それは利息に消えていきます。  

    ここでちょっと問題が残ります。 「投資家」が誰なのかです。 例えば日本のことを考えている場合なら、外資と日本資本とは意味が違います。  外資は儲けを国外に搬送します。 それは米国で重役のボーナスとなり、ニューヨークの宝石店を潤します(ちょっとミクロすぎて失礼)。

    国債を例にとります。 日本国債は現在ほとんど日本の自然人、法人が持っており、かつ円建てです。 この状況では日本国内で資金還流が完結します。  これを外資が外貨建てで保有することによって、日本国内の富を国債ルートで吸い上げることが可能となります。 
    
    各国ともに、「多額の国債−高率の消費税−社会保障の削減」という政策メニューを押しつけられています。
    ここで、消費税−国債のルートを通して入手した利潤は、多国籍企業や投資銀行というルートを経由して、オフショアにプールされることになります。  現在もかなりそうなっていますが、この世界では「寄生吸血」システムが全面化しています。
    オフショアに入った資金は、また別の国の国債へと貸し出されることになります。  
    「吸血−国債−サイクル」です。 

    高率の消費税は、ヒルのように全身の皮膚に食らいつき、あらゆる経済活動から吸血を継続します。  この条件下では、ドメスティックな新しい金持ちの出現はきわめて困難となります。

    「公共財の私有化」は、一種の社会保障ないしサービスの削減にほかなりません。
    「生活の全面的金融化」は、個人版の国債みたいなものですか。
     いずれも人頭税的な側面を持っています。

ここに見えるのは「奴隷」以外の何者でもありません。  生活の全側面に、いろいろな形で「人頭税」がかかるんですから。

[寄生者的価値観による奴隷の支配]
  この世界では、誰もが寄生者的価値観を有していることでしょう。
    近代は、古代的共同体の崩壊を近代国家によって収拾するプロセスと見ることもできます。  また、同じことですが近代市場によって収拾するプロセスと見ることもできると思います。
この世界ではウイルスが王となっています。

閉じた世界では、共同体だけでなく、家族、親族といったレベルまで解体し、全面的に個人主義化していると考えられます。
    それでは人間は自由になったのか。  いろいろな束縛や因習から自由になったと言って良いのかもしれません。  しかし、その実態は、「奴隷の自由」であろうと考えられます。

この奴隷は自由です。 家族もなく、親族もなく、属するべき共同体もありません。 労働を売り、幾許かの物を手に入れる生活です。 
    
  この奴隷にはご主人の姿は見えません。  彼の労働の多くはご主人のものとなっているのですが、彼はそれを意識していません。 その限りにおいて彼は主観的には奴隷ではないといえるかもしれません。
しかし、消費税によって、「公共」料金によって、カード利息によって、空気の吸引ごとに、刻一刻と彼の労働価値は主人に奪取されているのです。 もしかすると空気吸引吐出に税金がかかっているかもしれません(CO2削減はこの方向にいくのでは)。
    しかし、奴隷はたぶん反抗しません。  既に寄生的世界観を有しているからです。  寄生者の姿が見えないので、自分は自由だと考えているからです。

この世界は、奴隷が寄生者の価値観を有することによって、安寧を保っています。

[焼き畑農業]
これが「焼き畑農業」ほど非合理ではないというご意見はうなづけます。  しかし、主人と彼との関係は、ミクロに見ると危ういものです。

  主人が彼に支払う給与と、彼が主人に支払う代金とのバランスが少し崩れると、直ちに利息が発生します。  この世界においては、現代日本のような国債国内循環サイクルなど存在し得ませんから、一般的に利息は高くなっています。  利息は短期に膨れ上がります。  

    このバランスをコンピュータ入力し、破産者数が激増しない程度に給与や利息を加減するという知恵があれば(恩恵!)、合理的な焼き畑農業が理屈上は可能であるのかもしれません。  あっしらさんならできるのかもしれません。  
    しかし、この状況下で、「寄生者」が収奪を我慢できるとは私は思いません。  寄生者はすべてを奪取することでしょう。  寄生者は、ごちそうを前にして我慢できないという愚かさを有していると考えています。

すべてを奪取したときに、収奪は終了します。  それ以上彼から盗むことはできません。

[もしかして廃棄処分−げっ、]
    あっしらさんの最後の議論は、普通に読んだら唐突な感じなんですけど、実はここにつながるんですか? 
    
(世界人口の削減に向けた“虐殺”が行われる(行われている)と考えています。)
(人口削減のための“虐殺”は、幸か不幸か、日本が標的になることはないと予測しています。 しかし、経済苦で自殺する人が年間2万人いるとわかっていてもそれほど問題されず、12万人のホームレスがいても邪魔な存在だとみなすだけという現状は、日本でも、人口削減のための“虐殺”が進行しているとも言えます。)

破産した奴隷はもう必要ありませんね。 代わりはいくらでもいると。  これが寄生者の価値観ですね。
日本人からはまだ養分をとれます(中東戦争が終了したら廃棄処分かも)。
    重債務国の国民は、破産しています。  国の債務と個人資産を連結決算すれは明らかでしょう。  これ以上絞ることは困難です。  すると、寄生者から見て無駄な人々となります。

全体として、私には、この世界はさして安定的な世界に思えません。  寄生者が貪欲を制御できればそこそこ安泰かもしれませんが、寄生者は、寄生というその性質によって、貪欲を制御できないと考えます。  すると、容易に多額の利潤を奪取できそうなこの世界において、容赦なき収奪を我慢できるのか疑問に思っています。  
   つまり、やっぱり「不合理な」焼き畑農業になるんじゃないかという疑問です。

        閉じた世界がどうなるかについて検討しましたので、とりあえず終わらせて頂きます。

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