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◆ 第一章 西洋哲学の光と闇 〜西洋思想概説〜 (週刊日本新聞)
http://www.asyura.com/2003/bd24/msg/889.html
投稿者 中央線 日時 2003 年 3 月 08 日 18:53:04:
▲ 六、
◎ 「科学崇拝は、グノーシス主義的秘密組織によって、ルネッサンス期に推し進められた。この秘密組織の中心思想は、『全能』の人間の知力を介入させることによって、『欠点だらけ』の創造を『完璧』なものにするという、胡散臭いものだった。そして、このようなルネッサンスの魔法じみた伝統が原因となって誕生したのが機械と公害と醜悪に満ちた奇怪な世界(今日の西洋文明にくまなく浸透された地球)なのだ」(マイケル・A・ホフマン二世著、藤岡、村上訳「フリーメーソンの操心術」、六十八、九頁、青弓社、平成八年三月、原著題は、「秘密結社と心理戦争」、一九八九年)、
との叙述は、きわめて興味深い。
ここに、
「グノーシス主義的秘密組織」なるものが登場する。
日本語で出版されて居る関連学術文献を細大洩らさず読んで見ても、多分、
「ルネッサンス期のグノーシス的秘密組織」なるものについて、唯の一行の説明も、発見することは出来ないであろう。
それでは、M・ホフマンは、根拠のない出鱈目を放言して居るのか。
そうではない。
◎ 「科学主義的[グノーシス的]哲学の下で、神を気取る人間たちが信奉する教義は、堕ちるところまで堕ちた観がある。科学主義的[グノーシス的]哲学は、人間を精神的、肉体的に完全に奴隷状態にしてしまった。人工衛星やコンピュータによる監視システムを構築したテクノロジーも、奴隷化を招く道具なのである」(前出、七十頁)、
と、M・ホフマンは断言する。
「神を気取る人間」、
とのことばが出て来る。
「全能の人間の知力」、
これは「全知全能の神」、
を連想させる。
これらは、すべて、グノーシス主義の中核的概念である。
だが、この語は、どこかで聞いたような気がするではないか。
そうだ、
これは、かの有名な、
「失楽園の物語」に出て来るのだ。
旧約聖書創世記、造物主は、エデンの楽園にアダムとイブを住まわせた。
そこへ、蛇に化けた悪魔$サタン$(造物主に敵対する者)が、イブを、
造物主が固く禁止した、知恵の木の実を食べて、造物主と等しいものになるように、
誘惑した、
イブはそれを食べ、アダムもイブに唆$そそのか$されてあとに続いた。
そしてアダムとイブは、エデンの楽園を追い出された。
つまり、グノーシス主義は、
二千年前のキリスト紀元と原始キリスト教会時代に遡るのみならず、
天地創造時に、造物主に反逆した悪魔に由来するもののようである。