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(回答先: そして、北朝鮮はこの枠組みから脱落した 投稿者 中央線 日時 2003 年 3 月 05 日 04:57:39)
中央線さん、こんにちわ。
一国共産主義は、経済価値観の基礎として産業発展をおいています。
生産力(生産効率と量的拡大)を上昇させて、国民の財的欲求を満たすことが政策の基本です。
ソ連・中国・北朝鮮は、そのような基本政策よりも、国家防衛(体制防衛)に国力を注ぎ込むという時代を長く続けました。
これも、国際情勢のなかでそのような“負”の選択を強いられたと言えます。
戦前の日本は、経済権益を外に求めるために軍事力を強化し、昭和に入ってからは、米英の攻撃からも防衛する“二重”の軍事力強化に走りました。
これまでの北朝鮮は、昭和の日本が米英から受け続けた圧力に対抗するために軍備強化に走ったのと同じ状況に置かれていたのです。
>北朝鮮は、産業、金融ともに近代化の枠組みから逸脱した。そして、それなりに理性
>は保っている、ということになるのですね。
北朝鮮は、産業・金融とも近代化の枠組みに入っており、近代的世界構造に参入したいと思っています。
その意味でも、北朝鮮の国家理性は近代主義に基づくものです。
さらに言えば、“主体思想”という国是を捨て去り、中国と同じように外資導入を梃子に産業発展を目指そうとしています。(羅津・開城・新義州などの経済特区はその一環です)
北朝鮮の韓国向け輸出は急増しています。
北朝鮮が最後までこだわっているのは、キム体制維持ということにもなりますが、独立国家としての尊厳(体面)です。
日本に対しては国交回復と経済援助を求め、米国に対しては安全保障(不可侵)と国交回復を求め、韓国に対しては形式的統一国家と経済援助を求めています。
そして、日本・米国・韓国も、あれこれ騒動を繰り返していますが、基本的には北朝鮮が望む方向に傾いています。
現在の北朝鮮騒動を収束させる鍵を握っている国家は日本です。
日朝交渉が決着すれば、米朝関係も急速に改善されます。
もちろん、北朝鮮は、米朝関係の改善を通じて、核兵器開発を放棄し、ミサイルの輸出を止めます。
それらに国力を費やすことやそれらのために国際関係が損なわれることを“損”だと理性的に判断しているからです。
しかし、その理性の基礎にあるのは国家の尊厳ですから、それを捨て去ってまで理性的判断を現実化することはありません。
米国は、近代化を自ら望んでいる北朝鮮を取り込みます。(2200万人の市場でもバカにはできません)
米国が軍事力を行使する対象は、「近代化」を拒む国です。
この視点を持っていれば、朝鮮半島情勢も見えやすくなると思いますよ。