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Re:禅的仏教観
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投稿者 ラブ&缶ピース 日時 2003 年 3 月 05 日 04:01:28:

(回答先: あっしら様へのレス(長文) 投稿者 ぷち熟女 日時 2003 年 2 月 24 日 18:45:41)

本来、仏の境地とは、「あるがままの自己」に回帰した姿をいいます。悟りとは、「あるがままの自己(そしてあるがままの存在全て)」の突発的発見に伴う全受容意識にあたると思います。特に禅などでは、その点は明確です(また、禅では釈尊を含む個人崇拝や偶像崇拝、輪廻転生観などは、厳格に禁じているわけではありませんし、宗派によっても異なりますが基本的には認めていません)。また、仏教の逸話の中には、日常超越願望に基づく修行や苦行を愚かなものとする話もあります。
私は、多分釈尊の人物像やストーリー自体は、カースト制に縛られていて、物質的に豊かではあったが自由のなかった、時のアショーカ王あたり(恐らく、王としてはあまりに繊細で感受性が強すぎて、ノイローゼ気味だったこともあった人物でしょう)が、悟りを開いた人(実際に悟りを開いた人は、詩や書画に「響き」を託すことはあっても、名声を残したいと思ったり、民衆を集めて宗教を起こそうなどと考えることはまずないでしょう)と縁が生じた結果、自分の強い願望も交えて、己の人生とその「仏陀(固有名詞ではない。つまりキリストだろうが老子だろうがどこかの禅師だろうが無名のシャーマンだろうが、あるがままの自己たる宇宙の神秘に回帰してさえいれば全て仏陀)」のあり方を同化させて寓話化し、哲学的に体系化して経文を残した結果生まれた、ある意味で「架空」の存在ではないかと考えています。そして結果として生まれたのは、自動的に家業を継いだり結婚相手も決められてしまう、自由のないカースト制に対するアンチとしての「出家制度」なのでしょう。仏教がカースト制に対するアンチなら、そのカースト制正当化の産物たる「輪廻転生」を支持できる筈もありません。尤も、恐らく終生王であったであろう「釈尊」ことアショーカ王(あたり)なら、それを強く主張できなかった或いは後世割愛されたとしても仕方ありませんが。
また、よく引き合いに出される六道輪廻(天上界、修羅界、人間界、畜生界、餓鬼界、地獄界)というのも、あの世や独りの人間の前世や来世などのことではなく、執着を解脱できない人間は性(さが)として、世の中の上六つのうち何れの相かを生きてしまう、ということ、さらに自我(物質心)の中にはこれら全ての相が存在していて、解脱しない限りは仮に一つの相を抜けたとしても、また別の相を生きてしまうものであり、各相の孕む相対的な苦しみを決して超えることはできない、堂々巡りになる、ということを指すものです。これは、人間の一生というものを固定的な位相に規定しない見方ですから、反価値観的(法則は価値観ではないとした場合)、反カースト的な見方だということが分かると思います。
これを図式として分かり易くイメージするのにいい例は、最近よくTVの報道などで見られる、北朝鮮のような国家のスタイルでしょう。「天上界(神々の支配する、極楽のような贅沢三昧の世界)」は、金総書記やその家族、側近らのなす支配層にあたり、「修羅界(戦いに明け暮れる世界)」としての軍部、「人間界」は、まあ何とか普通に生活できる平壌市民などの世界、「畜生界」は炭鉱送りなどになって奴隷同然に扱われる世界、「餓鬼界」は実際に餓えに苦しむ人々の世界、「地獄界」は強制収容所などに送られて日々拷問を受けるような世界、というわけです。これは、北朝鮮などが、カースト制に近い階級制度や支配体制を持っているため、図式として見え易くなっているだけで、日本や欧米を含む民主国と言われている国家でも、単に「人間界」の分布が広くメジャーになっているだけで、全ての相が存在していますし、また人間界に生きている個々の人間の自我(感覚世界)の中にも、各相の可能性が全て存在しており、一寸先は闇であることを示しています。

いずれにせよ、現在に流布されている仏教は、悟りや自然法則についての響きを哲学体系化したものと、仏教以前からあったカースト制とを混同している傾向が強いと思われるので、ちょっと整理してみちゃったわけだにょーん。

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