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(回答先: Re: 日本やドイツで成功した占領政策が通用せず、勝利できない戦争に足を突っ込むのは愚か − 米国に勝手にやらせればいい − 投稿者 世良田一郎二郎元信 日時 2003 年 2 月 25 日 08:16:52)
世良田一郎二郎元信さん、こんばんわ。
以前書いたことなのですが、歴史としての「近代」は、タイトルにしたような推移で幕を閉じると予測しています。
スペインが開始した“アメリカ”(もっと美しい名前があったんでしょうね)での虐殺と先住者を消耗品的道具として使って掘り出した金銀の強奪が「近代」を準備しました。
(イスラム世界がインド・アジアへの進出を阻んでいたことが、アメリカ侵略とそこからの膨大な富の収奪につながったのも、現在の国際情勢と重ね合わせると奇縁です)
アメリカの金銀が大量に流れ込むことで、ヨーロッパは、インフレが起き、生産活動が活発になりました。
そして、アメリカの土地と富を強奪する争いに勝つために、主要国で軍事技術や造船技術が発達していきます。
(これらの技術革新や生産活動を支えたのも、さらに強奪しようとするアメリカからそれ以前に強奪した金銀です)
金銀の強奪が一区切りつくと、アメリカは、西欧諸国にとって格好の植民地とみなされ、土地の収奪や先住者の放逐が荒れ狂う時代を迎えます。
そして、貨幣的富を蓄積した西欧諸国(英国&オランダ&ポルトガル中心)国際商人は、当時最高の経済力を誇っていたインドや中国などアジア地域との交易拡大をめざしました。
経済力で劣っていた西欧諸国には取り立てて売るべきものはなかったので、アジアから綿織物・陶磁器・お茶などを買うという一方的な“輸入超過”状態が続きました。
このような交易状況は、せっかく蓄積してきた貨幣的富が手元から流れ出すことであり、輸入して売りさばく場所である欧州から徐々に貨幣的富がなくなってしまうことでもあります。
そのために、インドで生産していた綿織物を英国で安く生産してインドにも売る(輸出する)ことを企てました。
こうすれば、輸送船は往復とも荷を積むこともでき、“輸入超過”をなくすことができます。
国際商人は、綿織物をインドで売るために綿織物工の手首を切り落とすという暴虐まで行い、英国製綿織物の販売に反対する人たちを鎮圧しながら徐々に市場を広げ、ついにはインドの政治的支配を達成しました。
(インドは英国向け綿花の栽培地という役割に変容させられ、米国も綿花栽培地として育成され奴隷貿易の大きな市場になりました)
中国に対しては、輸入で支払った貨幣的富を巻き上げるためにアヘンを輸出品として利用しました。(このアヘンの主産地は英領インドです)
清王朝のアヘン販売禁止措置には軍事行動で応じ、その戦利品として香港を手に入れました。
アジアは、日本を含む東アジアがなんとか独立国家として存在し、他は植民地支配を受けるハメに陥りました。
アフリカもご存知のようにエチオピア以外のほぼ全域が植民地になり、オセアニア地域もアメリカと同じように丸ごと強奪されました。
その後は、そのような世界構造のなかでいわゆる「大国」が経済権益をめぐって相争う歴史です。
競争関係にある国々が地理的に近く存在する欧州での大戦、そして、日本がアジアで覇を唱えようと欧州大戦と並行するように起きた第二次世界大戦と、人類史上未曾有の殺戮合戦となった二つの大戦の結果、貨幣的富は、アジア・アフリカなどで収奪したものを加えるかたちで、元のアメリカ(ただしアメリカ合衆国)にほとんどが移動しました。
おかしな表現ですが、アメリカの金銀(貨幣的富)が450年ほどかけて地球を一回りした歴史が「近代」です。
そして、貨幣的富が地球を一回りするあいだに、「近代経済システム」の世界化もほぼ達成されました。
現在米英が始めようとしている「対イスラム戦争」は、「近代経済システム」の世界化の総仕上げを目論んだものです。
「対イスラム戦争」は、最も効率がいい貨幣富の蓄積増大手段である利息取得を世界化が最大の目的です。
とてつもない犠牲者と大災厄が起きることにはなりますが、イスラム世界が西欧諸国国際商人のインド・アジアへの進出を阻み進路をアメリカに向けさせたように、今回もイスラム世界が、「近代経済システム」の隠れた基礎である利息取得システムの世界化を阻止すると確信しています。
そして、その阻止過程で起きる様々な出来事が、「近代」が内包する愚かさを人々に自覚させ、「近代」の幕引きをもたらすとも考えています。