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先日の読売新聞のコラムで、評論家の山崎正和氏が、「大量破壊兵器の廃棄には大掛かりな施設や手段が必要だ。だからその痕跡までが消え去るわけではない。したがって、イラクが廃棄した施設や場所を査察団に教え、案内すればそれで終わることである。査察団が車で走り回る話ではない」という意味のことを書いて、アメリカの主張に全面的に同調していた。しかしこの論は、アメリカの真の意図を隠蔽する危険なプロパガンダである。たとえイラクが完全に問題になる武器を廃棄したことが国連査察団によって確認されても、アメリカは、「いや、まだ隠しているはずだ」と言い続けるだろう。武装解除が目的ではないからだ。
今の時点で、つまりイラクが国連の査察に積極的に協力し始めた時に、米英が急いで武力行使に踏み切ったのは何故か。問題の根本がそこにある。アメリカは、もしイラクが完全に武装解除してしまったらかえって困るのである。イラクを侵略する理由がなくなるからである。それでも独裁国だとか何だとか理由をつけて攻撃するかもしれないが、世論は一層うるさくなるだろう。フセイン大統領は、たとえ自国が丸腰になっても攻撃されることが分かっているから、国連に対して武器廃棄に関する情報を出し渋ってきた。当然である。一主権国家として、武器を放棄することなど危険極まりない暴挙だ。フランスのシラク大統領もそのことをよく知っているから、アメリカの真の狙いをはっきり言わないまでも、国連をただの踏み台にしているブッシュのこうした詐術を際立たせようとして反対し続けた。思えば、「武力行使の際には、その前に再度の決議が必要」という決議案をギリギリの土壇場で通したシラクは賢明だった。米仏間の亀裂はもはや容易に埋まらないだろう。シラクやプーチンは、9.11の謀略的真相まで知っているのかもしれない。