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(回答先: Re: 「感じにくい隷属」から抜け出す第一歩は「隷属の認識」 [ぷち熟女さんへのレスも兼ねて] 投稿者 ルンペン 日時 2003 年 3 月 13 日 11:52:49)
ルンペンさん、こんばんわ。
>隷属していることに気付くのは、論理によってではなく
>感受性によるものだと思います。
>気付いてしまう感受性の高さに不幸があるような気がします。
「気付いてしまう感受性の高さに不幸がある」に強く共感します。
とんでもないことに気付き、そうなっているわけがわからなかったり、それを現実から消し去ることもできなければ、消し去る方法も思い至らないと、人は狂気に陥りかねないと思っています。
実感尊重、好き嫌い重視の人間ですから、感受性の重要性というか力を信じています。
「気付くのは、論理によってではなく感受性によるもの」は、思考における理性と感性の相互作用を確信していますので、感受性レベルで気付かなければ“実感”にはならないという意味で同意します。
理性とは、自身の思考を通じて保持している概念的体系世界(世界観)に照らして対象(現実)を捉える思考力だと思っています。
人の感性的認識も、すでに、対象の反映や模写ではなく、理性の強い影響を受けたものだと考えています。(世界観によって現実の見え方が変わるという趣旨です)
論理は理性で捉えた現実の概念的説明ですから、現実に対する論理的理解が変われば、自身が保持する世界観が変わり、感性的認識(感受性)も変わると考えています。
>「その時」までに多数派を形成させることの困難性がそこに
>あると思います。
現在の隷属は、ある人に直接隷属を強いられるというものではなく、法(権力)や経済取引そして学校教育やメディアという媒介的なものなので、感じにくいと考えています。
さらに、感受性を押し殺すような雰囲気も強まっています。
例えば、「好き嫌いではなく、良い悪いかを論理的に説明しなければならない」とか、「それはよくないことだといってもはじまらない、経済の“論理”や国家の“論理”を持ち出して、そういうものなんだと捨て去る」ことが目立っています。
そして、そういう“論理”を振り回せる人が、知的に優れた人で、同時に、人間としても上位だと受け止め尊敬するという“錯誤”もけっこう一般化しています。(エリート支配に屈服する要因)
これが行き着くと、何のことをどう説明しているかもわからないまま、あの人はノーベル賞を貰ったからすごい人なんだという“倒錯判断”に陥ることになる。
私が阿修羅で経済論理をはじめいろいろな書き込みをしている目的の一つは、エリートとされる人たちの理論や説明が、どれほどいい加減でデタラメなものかということを明確にすることです。
そして、それが「その時」までに多数派を形成させる小さな一助になればと願っています。
>人間は本来保守的に出来ており、とりあえず現状に大きな
>不満が無ければ適当にやり過ごしてしまう人が(自分も含めて)多数派を占めると思
>います。
>ところで、「その時」とは具体的にどのような時なのでしょうか?
保守的なことは、動物にとって極めて重要な資質だと思っています。
猪突猛進が嫌われ、何かをやる前には、どうやればいいのか、やった結果どのようなことが起きるのかをじっくり考え、人の思考力には限界があるとはいえ納得してからことを起こすというのは、保守性の現れだと思っています。
「その時」とは、現状に不満を感じる人が傾向的に増えていく現実が恒常化した状態です。
「その時」に導くのは、先進諸国が同時的な「デフレ不況」に陥ることであり、現在進行形の「対イスラム戦争」です。
合理的な政策を実行すれば「デフレ不況」に陥ることはない強力な経済力を持っている日本でさえ、この間の「デフレ不況」を通じて現状に不満を感じる人が増えています。
欧州諸国や米国は、日本より経済力で劣り、もともと失業率が高く、租税などの公的負担も大きいか公的支援制度がないという状況です。
(米国の失業率は、とっくに就業をあきらめ公的扶助で細々と生活する道を選んだ人が1000万人以上いるので5.8%という数値で済んでいるだけで、実質は10%をはるかに超えています)
日本以外の先進諸国が、日本と同じような「デフレ不況」に陥れば、日本とは較べられないほど現状に不満を感じる人が増えます。
アフガニスタンから始まり、今まさにイラクに拡大させようとしている「対イスラム戦争」は、既に、米英が持つ政治的価値観や世界戦略に大きな疑義を生み出しています。
実際に戦争が始まり悲惨な状況が伝えられたり、米英の意図がより具体的に見えてくると、様々な価値観に疑念が持たれるようになります。
先進諸国が一体となった軍事行動であればそのような疑念発生は抑え込まれますが、米英が少数派という状況での軍事行動やイラク支配は、否応なく価値観的対立につながっていきます。
>もし、変革の糸口を何処かに見出すとしたら
>「教育」〜「人々の意識」〜「政治・行政」〜「教育」
>のサイクルに蟻一穴を穿ち徐々に拡げていく位しかないのではと思います。
>阿修羅は、その一穴に成り得るものだと思います。
「サイクルに蟻一穴を穿ち徐々に拡げていく」ことが基本だと思っています。
そして、上述のような現実的変化が、急速な“部分決壊”を引き起こすとも考えています。