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情報デモクラシーを脅かす記者クラブ的特権意識
個人情報は誰のものか毎日新聞社「情報デモクラシー」取材班
毎日新聞のスクープした「防衛庁情報公開リスト事件」は、防衛庁の事務次官の処分に発展し、当時、通常国会で審議されていた個人情報保護法案は、この影響で継続審議になってしまった。この報道は「情報デモクラシー」の勝利とたたえられ、新聞協会賞を受賞したが、問題になったリストの情報は、住所氏名以外は防衛庁側が検索エンジンなどを使って独自に調べた公知の情報である。防衛庁のような官庁が、コンタクトしてきた個人の情報を収集するのも、それを庁内で回覧するのも当然である。身元のわからない相手に何も調べないで情報を渡すような官庁に、国家の安全を預けるわけにはいかない。
違法行為といっても、しいて探せば「みだりに他人に個人情報を知らせてはならない」(行政個人情報保護法第12条)という努力規定に触れるだけである。末端の職員がこんな罰則もない規定にふれただけで事務次官が処分を受けるというのは、前代未聞である。それよりも毎日新聞の記者に個人情報リストを渡した防衛庁職員(と思われる人物)の行為は、この規定に明らかに違反しているが、その追及はまったく行なわれていない。
この事件は、毎日新聞が激しく繰り広げている「メディア規制」キャンペーンの一環で、本書のほかの部分でも「政治家が個人情報保護法を利用してメディアを規制しようとしている」という類の陰謀説が繰り返されているが、その証拠はどこにも挙がっていない。事実は逆で、毎日新聞のようなヒステリックな「プライバシー絶対保護」キャンペーンに対して行政が自衛したのである。それでいて、報道機関だけは個人情報保護法の適用除外にしろというのだからあきれる。
彼らは個人情報は本人のものだと思っているらしいが、それなら新聞は取材した人全員に了解を得ないと記事にできないだろう。それが彼の主張する「自己情報コントロール権」というものである。そのコントロールの対象から新聞だけを除外する理由はない。インターネットには表現の自由はないのか。自分たちだけを安全地帯に置き、他の業界は厳重に規制しろという記者クラブ的な特権意識こそが「情報デモクラシー」を脅かしているのだ。
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池田氏の個人情報観自体にはそれほど違和感は覚えない。
デジタルデータになるような私の情報が、私という実存をどれだけ定義しているかと問えば、ほぼ皆無だと考えているからである。
しかし、世の中、集積されたデータを手中にすれば、良からぬことを考える御仁もいる。卑近な例をあげれば、麗しき姿形を持つ異性の氏名・住所・電話番号が手に入ることで何かを企てる人もいるだろう。
集積された個人データへのアクセスを制限する、それも物理的にというのは、まっとうな主張だと考えている。
私のような個人情報観が多数だとも言えず、自分のデジタルデータを他者が見られる状況はできるだけ制限してい欲しいと考えている人も多いだろう。
>防衛庁のような官庁が、コンタクトしてきた個人の情報を収集するのも、それを庁内
>で回覧するのも当然である。身元のわからない相手に何も調べないで情報を渡すよう
>な官庁に、国家の安全を預けるわけにはいかない。
公開情報は「国家の安全」云々というレベルのものではない。
しかも、事実誤認もある。
身元を調査してから公開情報を渡したわけではなく、渡した後にどういう人物かを調査超際したのである。
(情報を取りに来て、あなたの身元を調べてからOKであれば渡すというようなことをしていたら、もっと前に問題になっていただろう)
防衛庁は、防衛情報を欲しがる人物がどういう政治的思想的背景を持っているかを知りたかったということだろう。(気持ちはわかるが、そういう手順で来る人物はたいしたやつではない)
また、検索エンジンなどと調査方法を限定しているが、自衛隊調査部隊も動員して調べている。
この問題は、そのような事後調査をしていることがばれてしまったことが問題だと思っている(笑)
そんなドジな組織に、「国家の安全を預けるわけにはいかない 」とでも結んでおこう。
メディア批判は理解できるが、
>本書のほかの部分でも「政治家が個人情報保護法を利用してメディアを規制しようと
>している」という類の陰謀説が繰り返されているが、その証拠はどこにも挙がってい
>ない。
与党がメディアの報道にいらついていたことは報道されており、「その証拠はどこにも挙がっていない」と切り捨てる姿勢には疑念を提起する。