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Re: フランス政府は
投稿者 はまち 日時 2003 年 1 月 28 日 18:30:00:

(回答先: フランス政府は 投稿者 hou 日時 2003 年 1 月 27 日 21:15:39)

明確にイラク攻撃を支持しないフランス。

○民族意識。
 フランス国籍を持つ非フランス人がフランス国内の多数派
である。親戚が集まったときに、みんなフランク王国以来
のフランス人という家庭は、ほとんどないと思う。

 植民地時代からのなごりで、アフリカからアラブ人、黒
人、ユダヤ人、それに2つの世界大戦以来戦火を逃れた東欧
スラブおよび、東欧ユダヤ人。フランスはそういう意味で、
異民族国家である。

 自らの民族意識を過剰にさせてしまう要素に、宗教があ
る。異民族国家が平穏に成り立つためには、宗教は、政治社
会に力を持ってもらっては困る。だから、フランスの公立学
校では、宗教の時間がない。だからといって、特定の民族集
団を圧制することもしない。圧制することによって、寝た子
まで目をさましてしまうからである。バスクを巡る民族問題
で、スペインとフランスの対応の仕方の違いで、まったく違
った結果が現れているのがよい例だ。

 無神論的な哲学でもって、自己を守り、他者との摩擦をさ
ける。というのが、多分、白色系フランス人のやりかた。

 一方、アフリカなどからのイスラム系フランス人。モスク
もフランス国内どこにでもあり、ラマダンには、ラマダンセ
ールがフランス系百貨店で催され、アラビア語を知らなくて
もモスクの礼拝は、フランス語とアラビア語の2ヶ国語。宗
教において、フランス政府の圧力を感じていることはない。
雇用機会も人種差別が法的に禁止されていることから、平等
である。なにも、無理に、イスラムを前に出して、反政府運
動を起こす理由はない。

 フランス社会で摩擦なくイスラムを信仰し続けるのは、そ
れほど、困難だとは思えない。
 ちなみに、スカーフを学校にしていくことを禁じるのは、
絶対でない、教育を受けることが優先されている。禁じられ
ていても、スカーフをして教育を受けることは、法的に可能
である。
 が、そこまで、イスラムを前にだしてまでしてお互いの感
情をくすぶらせることは、フランス全体のイスラム社会をや
りにくくしてしまう。モスリムにとって得策とは思えない。

○対米感情論。

 アメリカにへつらう理由はない。
この点において、フランス国内は異民族間を越えて一致して
いる。極端に言ってしまうと、アメリカの言いなりにならな
い。そのことで、異民族感情を超えたフランス人のアイデン
ティティを主張していることにもなる。この世論を政策決定
に使わない手はない。
 昨年大統領選で失敗したルパン氏。異民族を切ることで、
このフランス人アイデンティティを呼び起こすつもりだった
のかもしれないが、時代すでに遅し、あまりにも、純粋フラ
ンス人が少なすぎた。

○フランスが反イスラム路線をとると、それなりの代償がある。

フランス有権者の約25%は、アラブ人である。特に、第三次
中東戦争、インティファーダー、湾岸戦争などを通して、フ
ランスは起こさなかったのに、世界が彼らにイスラムの目を
覚まさせた。そして、フランスの教育を受けて、現在、フラ
ンス社会を担ってる約25%のモスリムを敵に回すことは、商
業から始まって、経済社会に悪影響を与えることは間違いな
い。いかにユダヤ資本が経済界を牛耳っているつもりでも、
肝心の末端は、アラブ人である。モスリムなしで、フランス
社会は成り立たないところまできているのである。

 警察が取り締まりを強化したところで、無差別テロ殺人の
恐怖もぬぐえない。

そこまでして、いったいフランスがどんな利益をえるのか?

○現状が一番?

経済制裁を受けているイラクからフランスは、原油を買って
いる。国境なき医師団も派遣している。人道上、フランス
は、イラクに対してよいポジションに座っている。それは、
第三世界に対しても、フランスの立場をよくしている。コー
トジボアールのように、内戦が起きれば、平和を取り戻すた
めとして軍を派遣するが、なにも、独裁はあるかもしれない
が、それなりの平穏をとりもっている国にこちらからしかけ
るメリットがそれほどない。

 イラクがアメリカの覇権下になったとき、いったいどれだけのメリットがフランスにとってあるのか?
 フォークランド紛争のときに、アルゼンチン側に武器、戦
闘機を輸出して一儲けしたときのように、イラク戦がフラン
スに経済効果をもたらすことは、考えられない。それによっ
て支払わなければならない代償のほうが国内、国外とも大き
いことをフランスは知っているのである。

追記
 フランス2は、ユダヤ系です。それでも、パレスチナに関
する報道は、イスラエル兵がスカーフ姿のパレスチナ人女性
にスカーフをとろうとからかうところを流したり、以前の
モスクワ劇場占領事件では、特攻したロシア軍が場内に入り
込んで、飲み残されたボトルをラッパのみにしているところ
を流したりで、反ユダヤ人感情のガス抜きをしてくれてま
す。衛星のテレビ5は、フランス2と同系列だと思います。


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