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_/ _/ _/ 平成不況の要因は?
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_/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ 安倍一郎
_/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ _/ H14.12.23 6,655部
_/ _/ _/ _/ _/ _/_/_/ JOG Wing No.608
_/ 国際派日本人の情報ファイル
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■ 効き目のなくなった公共投資
平成不況長期化の要因は、何であろうかと反芻しております。
91年以来約100兆の膨大な我々の血税が公共投資に投入され
ています。これは、これまでの自民党政治の基本は地元利益誘
導であり、その根幹をなすのが公共投資(地元建設土建業者の
懐を潤す)の大盤振る舞いであり、その構図が平成の世になっ
ても全く変わっていないからです。その結果が、膨大な財政赤
字です。
ケインズの指摘する乗数効果が機能していた時代には、この
公共投資も最終的には、当初の投下金額の2倍以上の有効需要
をもたらし、景気回復にそれなりの効果を果たしていましたが、
平成不況ではその効果が殆ど無いようです。
公共投資、公定歩合引き下げ、減税、量的緩和等が、これま
での景気回復の常套薬とされて来ましたが、今回の不況では、
この常套薬の効き目が殆ど無いように思われます。ゼロ金利と
言われる水準まで資本コストが下落しているにも拘らず、個人
消費や民間設備投資を誘発してはいません。
■ 迷走する経済学者・エコノミスト
また、この様に常套薬の効果が無くなった原因に関して、経
済学者やエコノミスト達が、充分な論議と検証を行った証左を
見ることは出来ないようです。これまで、彼らは、今回の不況
脱却の妙薬は、規制緩和、物価引下げ(個人消費が低迷するの
は、物価が高いからである。内外格差論議が、その最たるもの
でした。規制緩和策により物価を下げれば個人消費は復活す
る)と主張していました。ところが物価が下がり始めると、今
度は、不良債権処理が必要だ、デフレスパイラルに陥ったら大
変だと反省無く、論点をすり替えています。
この間、論点すり替えに利用されたのが、これまで、比較的
好調であった米国の経済情勢で、米国の景気が好調なのは、同
国で進捗したIT革命である。日本でもIT化を促進することで、
不況脱却の端緒が開ける、サラリーマンの年金資産は株式を主
体とする401Kの様な制度が必要だと、主張して来ました。
ところが、米国でのワールドコム等多数のIT企業やエンロンの
破綻が現実のものとなり、米国経済の好調さにも陰りが出始め
ると、IT革命論や401K導入論は何時の間にか消えてしま
いました。全く、学者、エコノミスト連中のいい加減さには改
めて辟易します。
次に出てきたのがクルーグマン教授の高説をよりどころとす
る「調整インフレ論」であり、ひょっとすると第二、第三の長
銀出現を狙う米国金融資本の思惑に乗せられた4大メガバンク
の2行程度を国有化に追い込む「不良債権処理促進」となって
いるのではないでしょうか。
■ グローバル化で日本企業の優位性が崩れた
景気回復の常套薬が効かなくなった要因は、定かには分かり
ませんが、日本経済も国際的に最も開放された状況になり、ま
た資本・金融取引の制約も殆ど無くなった結果、一国政府によ
る自国経済の制御可能性が著しく低下すると言うこれまでとは
条件が、全く異なった経済状況の時代に突入したにも拘らず、
旧来の論理や手法で対応しようとしていることに、不況から脱
却できない真因が、有るのではないかと思われますが如何でし
ょうか。更に、これまで日本の独壇場であった機械、電子機器
等のアセンブリーシステムを中心とするモノ作りに対し、韓国、
中国、東南アジア諸国等の製品が日本製品に性能的には勿論、
圧倒的価格競争力を持ち始めています。
20世紀末の工業化社会では、国内立地企業の日本型システ
ム(均質労働、終身雇用、系列取引等)は相対的優位性を有し
ていました。しかし、冷戦構造崩壊と時を並べるように台頭し
て来た韓国、アセアン諸国、更には中国等のモノ作り技術習得
のスピードは速く、最先端の分野(燃料電池、ナノテク等)を
除き、追従者の有利性からか、国内立地企業の日本型システム
の優位性は失われています。
■ 零戦の優位性にあぐらをかいて負けた二の舞?
換言すれば、今次大戦で、零戦の圧倒的空戦能力にこだわり
続け、その防御能力の弱点を改良せず、また後継機開発に総力
を結集せず、更には、大艦決戦の時代は過ぎ去り、陸海空の統
合戦力が勝敗を決定し、中でも制空力が最も重要である戦闘様
式の時代に入ったにも拘らず、旧来の戦闘思想(大艦決戦の裏
側にあるフリート・ビーイング=大艦温存)から脱却できず、
共同体化した参謀(高級将校)集団が指揮して敗北した日本軍
と同様ではないかと考えました。零戦の後継機となり得た紫電
改の大量生産とそれを前線投入に入るべき時期には、既に生産
資材欠乏し、優秀なパイロットはおらず、レーダー、VT信管
(近接信管)等の防御兵器の開発は出来ずの状況で昭和20年を
迎えています。そして、終には、大和に大艦決戦の場なく巨砲
43サンチ砲の威力を発揮することなく沖縄特攻出撃となり、
本来の役目を果たすことなく、海の藻屑となってしまいました。
暴論ながら、零戦に執着し、レーダー、VT信管等の防御兵
器開発に遅れたのが、現在の日本型経済システムであり、その
打開策として投入されたのが、特攻機や戦艦大和の特攻出撃な
らぬ膨大な我々の血税と一部のメガバンクの国有化に始まる第
二第三の長銀になるのかもしれないと思っています。
優れたゼネラリストであるべき政治家には勿論人材無く、国
民全体が神国無敵神話に酔って、陸士(海兵)、陸大(海大)
の学校秀才に全てを委ねた結果の敗戦が、先の反省であるとす
れば、ジャパン・アズ・ナンバーワンと煽てられてバブルに酔
ったツケの結果の現在は、それ以上と思わざるを得ません。お
知恵を賜りたく思います。
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