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(回答先: Re: 「右翼」そして「愛国」について 投稿者 karan 日時 2002 年 11 月 22 日 03:45:03)
karanさん、こんにちわ。
確かにいろんな言葉が雰囲気だけで使われているようです。
せっかくいろんな言葉を提示していただいたので、自分なりの解釈を示します。
● 右翼・左翼
フランス革命期の国民議会の議席配置から来た言葉のようです。
王党派が右側に革命派が左側であったことから、現状維持的考えを持つ勢力を右翼、新しい制度をつくろうとする勢力を左翼と呼ぶようになりました。
右翼を保守、左翼を革新とするのは、それほど的を外したものではありません。
問題は、保守を名乗っている勢力が本当に保守なのか、革新を標榜する勢力が本当に革新なのかということでしょう。
小泉首相は構造改革を主張しているのですから、保守ではなく、革新と言えます。
護憲を主張している社民党などは、革新ではなく保守ということになります。
この考えを中国に当てはめれば、共産主義者は右翼で、市場主義者は左翼ということもできます。
● 共産主義・資本主義
これは、近代経済システムの在り方をめぐる対立軸です。
一般的に受け止められている内容は、共産主義は生産手段を公的所有にしようという考えで、資本主義は生産手段を私的所有のまま継続しようとする考えです。
● 民族主義の反対ってのはグローバリズム?
民族主義の反対概念が何かというのは難しい問題ですね。
多民族国家であれば、国家主義は民族主義の反対する考えになります。
民族主義=国家主義という状況であれば、国際主義もしくはコスポモリタニズムが反対概念と言えるかもしれません。(国際主義は、国家の利益を第一義にするのではなく、国家間の良好な関係性を第一義的に考えるといったものです。コスポモリタニズムは、国民ではなく、世界人として自分を考えるといったものですかね)
グローバリズムは、国際主義ではなく、経済主体が国家的枠組み(障壁)を超えて自由に経済活動ができるようにするという考えです。
● 全体主義と個人主義?
国家や集団の利益を第一義的に考えそれを通じて個人の利益も拡大できるというのが全体主義で、個人が自己の利益を追求することを尊重しそれを国家や集団が利害調整するというのが個人主義だと考えています。
● 国家主義とアナーキズム?
アナキズムの対立概念としては、国家主義というより国家統制主義のほうがふさわしいものかも知れません。
アナキズムの基礎には、高い倫理性と論理性を持った個人に信を置くという考えがあります。国家権力にあじゃこじゃ指図されたり締め付けをされなくても、諸個人が自律的にうまく仕切っていけるという思いがあります。そして、国家権力は、おうおうにしてそれをに掌握した少数の人たちで恣意的に行使されるという見方を持っています。
国家統制主義は、人々は放っておけば勝手気ままにとんでもないことを行うものだから、合理性と倫理性に富んだ国家権力者がきちんと管理監督しなければ国家はうまく機能しないという考えです。
● 軍国主義、平和主義、あるいは戦争好きと嫌い?
このあたりの言葉の定義は難しいですね。
軍事機構が国家にとってきわめて重要なものであるという考えを軍国主義だとすると、そのような立場にある人は、「強固な軍隊を保持していてこそ、平和が維持できる」と主張するはずです。
平和主義は、戦争に反対し、外国から攻撃を受けても反撃することなく降伏してその後の交渉でなんとかするといった考えとも言えるでしょう。
どちらにしても、平和が悪で戦争が善だと公言する人は少ないので、平和を維持するための方法論の違いと言えます。
戦争好きと戦争嫌いというのはあり得ます。
格闘技を見るよりも、科学技術を駆使した精緻な兵器が使われ、本当に命を賭けた兵士たちが戦う戦争を見るほうが面白いという人もいるでしょう。
兵器を生産して商売している人や厖大な資金を必要とする戦争のために金を貸す人は、戦争を金儲けの絶好機会だと考えるでしょう。
国家支配者のなかにも、せっかく優秀な兵器を持っているのだから、その威力を実践で確認したいと考える人もいるでしょう。(鉄砲を持たせると撃ちたがるというものです)
●愛国の反対ってのは?愛個人?愛地域?愛地球?愛他国?
愛国の反対は、国家や国をどう定義するかによって変わるものだと思います。
列挙されているものすべてが、愛国の反対とも言えるし、愛国の一部だとも言えます。
その意味で、国家とは何か、国とは何か、国家に否応なく属す個人とは何かなどをきちんと考え直す必要があると思っています。
愛国の反対は、一応、売国や自国破壊だと思っています。